お菓子屋・ケーキ屋・パン屋さんの値決め |
今回は、お菓子屋さんやケーキ屋さん、パン屋さんの値決めについて書きたいと思います。
ここでは考え方みたいなことを書いていますので、原価計算を使った具体的な価格設定の方法については、
お菓子、パン屋さんの原価計算 を参照ください。
さて、あなたのお店の製品、商品の価格はどのように決定していますでしょうか?
ある程度の原価を計算して、それに利益をプラスしていることもあるでしょう。
あるいは、商圏(自分のお店に来る人々の範囲)の相場に合わせて、「だいたいこれくらいかな」と決めていることもあるでしょうね。
さて、どのように価格を決めて(値決めして)いるかは別にしまして、あなたは今の製品価格に疑問を持たれていますか?
もっと直接的な言い方をすれば、今よりも高い価格に設定できないかを考えておられますか?ということです。
「今でも売上が厳しいのに、値上げなんて!」と思われる店主さんも多いでしょう。
でも色々な発想をしてみるのです。
例えば、ケーキ屋さんのケーキ1台が、2,000円だとします。
お客様は、3,000円は高いと思うかもしれませんが、2,500円なら2,000円と同じような気持ちで買うかもしれません。
2,000円出すお客様は、2,300円出すのも、ほとんど同じ感覚かもしれないのです。
そしたら、2,300円の価格設定をしたほうが儲かりますよね。
「急に300円も上げたら、お客様が怒るよ」と、皆様は、おっしゃるでしょう。
それでしたら、原材料を今のよりいいものにするんです。
たまごをブランドの高価なものに変え、生クリームも質の良いものに変えて、ケーキの名前も変えます。いちごの量を増やすというのでもいいでしょう。
そして、味が明らかに良くなったと分かるレベルに持っていって、2,500円で売り出すのです。
当然、材料費が上がった部分は値上げした分に収まるようにしなければいけませんけどね。
業界が違いますが、すき家の例が少し参考になります。
すき家は、牛丼の並盛を291円から350円に約2割の値上げをしました。値上げ当初は客離れが起きたようですが、しばらくすると常連客が戻ってきたようです。
その理由としては、「肉の量を2割増やした」ことがあるようですね。
おそらくお客様からすると、牛丼のメインである肉の量が20%増えたことによって、値上げに対する嫌なイメージをやわらげることになったのでしょう。
実際は肉の量が2割増えて、牛丼の原価が2割増えたわけではないのですけど(ご飯なども原価にあるため)、消費者に「損をしている」という気持ちを抱かせない工夫ですよね。
ただ値上げをするだけではなく、何かプラスの工夫をするといいってことですね。
そして、大事なポイントは、良い材料を常に探し続けることです。
私の顧問先であるファミリー向けの居酒屋様は、常に食材の仕入れ先を探しておられます。根気よく探していると、安くて質の良い食材は見つかるものです。
今の取引先だけで満足するのではなく、常に良い食材がないかと探していると、必ず見つかります。とにかく探し続ける努力が必要です。
また、値上げする商品を出していくときのコツは、既存のものを残しておいて、実験的に上位価格を出していくことです。
ちょっとずつ、今より高価なアイテムを増やしていくことですね。
そして、いくら売れたかを、日にち、曜日、天気、イベントも含めて記録を取って、検証してください。
そこでお客様の反応を見て、いけるかどうかを考えていくといいでしょう。
これは売れないなと判断したら、その製品は辞めて、次の製品を試してみることです。
これらを繰り返せば、きっと次の製品が出来てくるはずです。
結局、価格はお客様が決めます。
あなたのお店に来てほしいお客様を想定して、価格設定をしてみてください。