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人事・財務・労務、経理をマネジメントします
横浜市西区の株式会社ビクトリー 古賀光昭  
 

売上を3年で倍増する方法

 
 1.個人技から組織で仕事をするように変化させる
 
 
今回のテーマは「3年で売上を倍増する方法」です。

年商が5千万円から2億円くらいの会社の経営者向けの内容になります。

経営者の皆様は、3年で売上を倍増、つまり2倍にすると聞いて、どのような感覚を持たれたでしょうか。
 
現在一定の売上があり、すなわち、お客様がある程度いらっしゃって、年間5千万円~1億円近くの売上がある企業なら、3年で売上が倍増するのは可能です。
 
なぜなら、「個人で仕事をする会社から、組織で大きな仕事をなしていく」方向へ、会社を変化させていけばいいからです。

 現在何千万円か、1億円に満たない年商の会社でしたら、社長お一人の力ですべてのことをこなしておられるのではないでしょうか。
社員かパートが何人かはいると思いますけど、実質は社長が営業をして仕事を取ってきて、現場も指揮命令しているでしょう。

すなわち、社長の個人技、個人の能力の範囲で会社を回している状態です。


これは、年商が2億円でも同じような状態でして、社長プラス職人のような社員が2~3名いて、その下に単純な作業をする人が10名弱いる、いわゆる「個人技」で事業を行っている会社が当てはまります。 

ただし、個人の能力を3年で2倍にするのは無理
があります。


ですので、普通に考えたら”個人技”の会社が3年で売上2倍になることはありません。

そこで考えなければいけないのは、個人技で仕事をしていたのを、「組織で仕事をする」ということです。

それも人数の足し算のような組織ではなく、掛け算としての仕事ができるように組織(事業構造)を変化させることです。

今までのやり方をかえる勇気
が必要になります。
 
 
 
2.経営は未来に対する回答である
 
ところで、売上倍増の方法論の前に、なぜ倍増することが必要なのかについてお話をしたいと思います。

スターバックスCEOで3社でV字回復、最高売上を達成した岩田松雄さんが結果を出した要因として間違いのないことは「大胆な目標(ビーハグ。『ビジョナリーカンパニー』に出てくる言葉です)を掲げたことです」と述べられています。
 
 
 
結局、縮小志向でいくか、成長志向でいくかということが問われるわけですね。

縮み志向で行くと社内全体が縮み志向になります。
経営者が成長を描いたら、社内のムードも成長に変わるのです。

世の中が厳しい状況だから、あえて誰もが反対するような発想をしてみるのです。

世の中が暗くなってきたら、あえて経営者が夢を語るのです。

不景気になると、経営者だけでなく、従業員もメンタルな戦いになります。

そのメンタルな戦い、未来の戦いに対し、従業員を鼓舞し自分を奮い立たせるためにも、あえて大きな目標、大胆な目標を掲げてみるのです。
 

創業者の社長様には少ないタイプだと思いますが、秀才タイプの経営では、今後の経営は難しいでしょう。

秀才タイプの経営というのは、過去の分析はできるけれども、「未知の分野」や「予測のつかない未来」で戦えないことを指します。

今後の経営では未来への答えを出さなければいけません。 

 
 
3.売上倍増は、会社の体質を強靭化させる方法である

また、大胆な目標を設定しますと、今までのやり方をゼロから見直す必要が出てきます。

これが事業構造の大きな変革
(イノベーション)になって、今後の事業経営を乗り切る財産が出来ます。厳しい市場環境を乗り越える体質を作ることになるのです。

経営者も成長しますし、従業員も同じく成長します。 
 
大胆な目標には、市場占有率を上げるや、利益を増やすなどの財務面のプラスだけではなく、会社の体質を変えるプラスがあるのです。
 
成長する過程を通じて、会社の体質を強靭化させることができます。

高い目標を目指して努力する中に、経営者や社員の人間的な向上もあるでしょうし、精神的な強さも育まれていくのではないでしょうか。

人として生を受け、小さな目標で一生を終えたことを後悔するよりも、大きな目標に挑戦した経験をもって、人間性や精神性を高めたことを誇れる人生もあると私は思います。 

どこまで目標にしたことができるかは分かりません。

しかしながら、目標に向かって努力し、道を切り開いていこうとしている経営者に、従業員はついていくのだと思います。

 
 
4.社長が全部自分の責任だと思えるかどうか

さて、最初に述べましたように「売上を倍増する、2倍にする」大事なポイントは、社長の個人技から、組織で仕事をするように変革することです。

組織で仕事をするとは、仕組みを作って、それにそって仕事をすることになります。

仕組みを作るというのは、誰もができるような仕組みを作ることを意味します。

社長はたいてスーパーマンです。

企業でサラリーマンをやっていたら、営業成績がナンバーワンという方がほとんどでしょう。

するとどうなるかというと、社員の仕事ぶりが物足りなくなります。

「なんで、こんなこともできないの?」という風に社員を見がちになります。

「俺なら簡単に仕事が取れてきた。おまえはなぜできないんだ」みたいになるんですね。

 
でも、社員ができなくて当たり前なんです。 教えられてないんですから。 すると社長はおっしゃるでしょう。 「俺も誰にも教えられずにやってきた」と。


そう、社長は普通の人より成果が出せる人なんです。だから社長になっているんです。

そうでなければ、とっくに会社は潰れているはずです。そもそもビジネスが成り立っていないでしょう。

おそらく能力だけが社員に優っているのではなく、仕事に対する熱意や時間のかけ方も半端ないと思います。

土日もなし、徹夜も平気でやっていたという社長が多いでしょう。
 
 
社長は、自分より能力や熱意が低い人を使わなければいけない立場なのです。

これはサラリーマンの方には失礼に聞こえるかもしれませんが、社長は能力や熱意が自分より半分や三分の一の人々を束ねて結果を出さなければいけないのです。

だから、社長は社員に対して「こいつらは使えない」と思わないでください。

社長より社員が能力も熱意も上だったら、その社員が社長をすれば良いのです。あるいは、独立すればいいのです。

社員が成果を出せないのは、社員のせいではありません。

社員が自分たちできるように仕組みを作っていない社長の責
です。 あるいは、教育をしていない社長の責任です。

社長が全部を自分の責任だと思えるかどうかがカギ
を握っています。 
 
 
 
5.集客は組織の力で行う

では、どのような仕組みを作ればいいのでしょうか。

一つは業務を分業することです。

分業というと、プロ野球のピッチャーを思い出してください。

昔の野球は先発完投型がほとんどでした。しかしながら、近大野球では先発、中継ぎ、セットアッパー、抑えと分業制が取られています。
会社の業務も、先発完投型から分業制にし、個人で担うところと部署で担うところを分けるのです。 
 
例えば集客と営業(お客様の確保)を分けます。 そして集客は組織(会社)の力で行います。

仮に家を販売するとして、自社の宣伝をネット、チラシ等で行うなら、社長が中心となって外部委託するなり、自社の宣伝部門(マーケティング部門等)が行います。

住宅展示場に来た人に営業するとしたら、住宅展示場に来てもらうまでは会社が責任を持つということですね。

それも社長が集客のアイディアの中心になってください。

どういった宣伝の仕方をするか、チラシを作るなら、どういったキャッチコピーを作るかを社長が方向性を指示してください。

決して広告代理店やセールスプロモーションの会社や自社の部署に丸投げするのではなく、今までの経営でつかんできた集客に関する社長の暗黙知(頭の中にある文章化していない知恵)を伝えてください。

何かポイントがあるはずです。ある意味、社長の魂のような商品に魅かれる”何か”があるはずです。

それを核にして、販売戦略を策定
してください。


また見込み客づくりも会社の仕事とすればいいです。

営業マンがつらいのは、知識がたいしてないのに「どこでもいいから、とにかくお客を取って来い」と言われることだと思います。

どこに行けばよいかも分からない、何を言えばよいか分からないのが一番困るでしょう。


ですから、「この人に会ってきて」と具体的に訪問先リストを提示できるように会社が準備をすることです。

 
 
6.チラシのコツ

ところで、もしチラシを使うなら、一度にたくさんのチラシを作るのではなく、地域をできるだけ絞って毎週打ってみるといいでしょう。

チラシは頻度が大事なので、最初は毎週打つのがいいですね。

そしてしばらくお客様の反応を見て、チラシの内容を変えます。

何度か同じ地域に異なるチラシを配布して、効果を検証してください。

チラシには王道のような方法論がたくさんあります。
 
しかし、販売では決まりきった完璧な答えは見つかりません。チラシも同じで完成ということはありません。
 
色々な成功例に学びながら、同業他社や異業種のチラシも参考にしてみましょう。
 
チラシのコツは、色々な方法を試して、ダメなら改良する。

これを繰り返して、より良いものを創りだすことです。
 
効果のあるチラシが分かってきたら、配布範囲を拡大します。そして、また効果を検証することです。

良いチラシが出来ても、必ず効果を検証しましょう。そして改善することを面倒くさがらないことです。

いずれにせよ、集客は社長が中心になって指揮命令し、組織で行ってください。
 
会社の最強の武器は社長の能力です。

それゆえ、会社経営で最も大切で、しんどい販売に社長が力を注がなければならないのです。
 
 
 
7.お客様訪問の方法

次に、お客様訪問について述べたいと思います。 

訪問先(既存のお客様のケース)に行くのは社長又は営業マンになります。

社長のお客様訪問については、このホームページの下記に書いてある「どうすれば売上が伸びるか?」にありますので詳細は省かせてください。

お客様が法人の場合
だとして簡単に説明します。

まず得意先をS、A、B、Cのようにランク付けします。

ランク付けの参考になるのは得意先別ABC分析表です。

得意先別ABC分析表から売上高は分かりますが、社長から見た得意先の将来性などを加味した上で得意先を全てランク付けしてください。

そしてランクごとに月間の訪問回数の基準を設定します。

例えばSランクは週に1回、Aランクは2週に1回など、訪問回数の基準を決め、月のカレンダーに「誰が、いつ、どこに」訪問予定があるのかを明確にするのです。

この訪問予定の実際がどうなったかも同じカレンダーに記載していきます。これで予定と実績がすぐにわかるようになります。

 
ところで、最重要の得意先については社長が一人で定期訪問(表敬訪問)してください(訪問先が個人の場合は別)。

これは担当者を連れて行くのではありません。よく社長がお客様のところへ行くとなると大名行列のように担当者から営業役員まで、何人も引き連れていくことがありますが、あれは良くありません。

必ず一人でアポを取らずに行ってください。

これは売込みではありません。
 
「いつもお世話になっております。近くに来ましたのでご挨拶に参りました」という感じで短い時間で切り上げるようなお客様訪問をしてください。

そして、お客様に日頃のお礼を述べたら、自社に対するご要望や不満をお聞きします。競合企業の動向もお聞きしてください。 最初は警戒してお客様も本音を言ってくれないかもしれませんが、訪問頻度が上がれば色々な本音を語ってくれるはずです。

営業マンも基本は同じです。
 
売込みに行ってはいけません。売込みという発想をすると、売れた後にお客様訪問をしなくなります。


そして、お客様から「買うまでは、買ってください、買ってくださいとしつこく来ていたのに、こちらが買ったあとは一度も顔を出さない。」と信頼を失ってしまうのです。

お客様訪問はお客様の確保です。

定期的に訪問し、お客様の要望や不満をお聞きしてください。また競合会社の動きも見るようにします。

クレームは全てに優先して処理する
ようにしてください。

売上ノルマや歩合制を取ると、売上を上げることだけを営業マンは考えるようになって、お客様の苦情を放っておくようになりがちです。

だから売上ノルマや歩合制は採用しないようにしましょう。 

お客様の要求は全ての事情を無視して応えていくのが会社の正しい姿勢
です。

その姿勢に反するような行動につながる制度は作らないことです。
 


8.一番大切な経営理念と社長の方針

ここで大切になってくるのが社長の方針と経営理念です。

社長が見ていない時の営業マンの行動を左右するのは、「社長の方針」
です。

「社長の方針」とは、例えば「お客様の要望には全て応えること」や「クレーム処理は最優先すること」、あるいは「粗利益率30%を守ること」などのように、社長が経営の中で絶対に実行したいことです。

それは、商品に関する方針もありますし、得意先に関する方針もあります。また、人事に関する方針もあれば、販売に関する方針もあります。

会社経営に関して、社長が「こうしたい」と思う考えを、社長の方針として明文化してください。 これは社長の考えだけを書けばいいです。

最終責任者として「我社はこうする」ということだけを文章に書いてください。


そこで大事になるのが経営理念です。

「社長の方針」の元になるのは経営理念
です。

我社の使命は何なのか、何のために存在しているのか、どの方向へ向かおうとしているのか
を明らかにするのが経営理念になります。

これは、社長が心の底から思っていることを明文化しなければなりません。

しかしながら、経営理念は、簡単に明文化できるものではないのですよね。

最初は他の会社の経営理念を参考にしながら、真似から入るのがいいでしょう。そして、社長の心境が上がって来るにつれて何度も修正し完成してくるものだと思います。


本物の経営理念ができたときは、社長本人は分かります。 真実の経営理念が出来れば涙が出ます。 心に浮かんだ経営理念のイメージが出たときにも涙が出ますし、それを文字にして読んだら再び涙が出るはずです。
 
なぜそうなるかというと、社長の生まれ持った使命にカチーンと当たるからなのですね。

あえて言葉にして説明すると「ああ、私はこのために生まれてきたのだ」という感覚が、何ともいえないようにして得られるのです。

別に「このために生まれてきた」と思わなくても、何も意識をしていないのに涙がスーッと流れてくると思います。

「え?! 何で、俺は泣いているんだろう?」というのが一番近いかもしれません。

本当の経営理念に気づけて、それを言葉で書いたときには、それぐらいの感動があります。

ただ、涙が出ないからといって、今掲げている経営理念を全くダメなものだと考えないでください。

今の心境で最善の理念というのはあります。
完璧な理念が出来るまでは、経営理念を明文化しないというのもいけません。

今の社長の心境で、考えうる限りの最高の経営理念を掲げてください。

そのうち、徐々に「何か違うなぁ」というのが分かってきますので、その時に修正すればよいのです。
 
そして、経営理念と社長の方針は社長自らが社員に伝えてください。

後でもう一度説明しますが、社員研修の時間を取って、社長の言葉で理念と方針について話してください。なぜこうした理念になったのかを、社長の思いで伝えてくださいね。

方針については、得意先の方針や販売方針など多岐にわたりますけど、誰かに任せるのではなく、社長が自らの言葉と熱意で社員に伝えるのが大切です。
 
 
 
9.営業マンにはアプローチ・ブックを
 
また、営業マンには「アプローチ・ブック」を作ります。

これはお客様のところにいったときに、お客様に商品説明をしたり、見積もりをしたりするときの虎の巻なのですが、このアプローチ・ブックの最初のページに経営理念を書いておきます。 方針をアプローチ・ブックに入れるのは止めておいてください。
 
方針は経営戦略の面もあるのでお客様に見せるものではないからです。

アプローチ・ブックの最初に経営理念を書いておいて、新規のお客様にはその理念を見せるようにします。
つまり、会社がどういった使命感を持っているのかをお客様に伝えるのです。

ただ単にモノやサービスを売っているのではなくて、確たる使命感を持って仕事をしていることを伝えるのです。

経営に真摯さがあって、社会に貢献する内容であれば、お客様の共感を得ることもできるでしょう。
 
これからの経営においては、しっかりとした理念の元で経営をしている本物の会社が支持されます。
 
会社の存在理由や社会への貢献が問われてくるでしょう。
 
新規のお客様には必ず経営理念の説明から入るようにしましょう。

自社の商売がしっかりとした理念を元になされていることをお客様に知ってもらってください。
そこでお客様に共感してもらうことが大切です。
 
そして、アプローチ・ブックですが、社長からみて、まだまだだと見える社員でも、一定の商品説明や見積もりなど、一通りの営業ができるようなガイドブックレベルを作るように指導してください。

印刷した同じものを全員が持つよりは、営業マン一人一人が手書きで策定したほうがいいものができます。

内容の整合性は守るようにして、表現(説明の仕方、文字や色)は営業マンの感性を活かすのです。

商品説明や見積もり方法に関しては、幹部社員から教えることでもよいと思います。

ただ、社長が持っている独特のポイントになるようなことは、社長から幹部社員に必ず伝えておいてください。社長の頭の中にある大事なコツのようなものです。

それを幹部社員に教えた上で、研修するようにしてくださいね。

社員教育を外部研修に任せている会社も多いかと思います。

されど中小企業の場合は、社長自らが経営理念や方針について教育をしてください。

マナーやコミュニケーションのような一般的な教育は外部でもいいでしょう。

 
しかし、理念や方針は社長の信念が言語化されたものですから、他の人に任せるのではなく、自らが時間を取って直接話した方が良いです。

そして研修は成り行きに任せたものではなく、プログラムを作り、研修後の着地点を明確にしておきましょう。

着地点の一例としては、お客様の前で商品説明が一通りできるレベルだとか、経営理念を正しくお客様へ説明ができるレベルなどですね。

1週間後、1か月後、3か月後、6か月後などの着地点(目標)を明確にして、それに向かってのプログラムを策定しましょう。

私も経験がありますが、中小企業によくあるのは、研修期間に「人につける」ケースです。

「先輩社員の誰々について(同行して)勉強しろ」
みたいなパターンです。
これでは先輩の力量や社員の吸収力で研修成果がバラバラになります。

そうではなく、社長が主導して、しっかりとしたプログラムを策定し共通の知識を得られるように工夫してください。

営業マン研修で最も大切はことは「お客様に可愛がられること」だと教えてあげることです。

そのためには基本的なマナー、清潔感は必要ですし、お客様と議論しないだとか、お客様の手落ちを責めてはいけないだとか、約束は必ず守るだとかです。

それから、これは社長が教えなくてもいいですが、社内外でやり取りしている言葉が分からないということがあります。

業界特有の言葉は外から入ってきた人には分かりません。

専門用語や会社内の独特の言い回しもあるでしょう。

それら分からない言葉を書面にて教えてあげるだけでも大分違います

とにかく社長から見て、社員を戦力化するために必要なことを文字にして教育をしてください。

社長の頭の中にある知識経験を言葉として文字として教えることがポイント
です。



10.経営計画書にまとめること

ここで一番大切なことは、経営理念や社長の方針、事業計画を「経営計画書」としてまとめることです。

 
「経営計画書」一冊に、社長の考え、事業計画(利益計画など)、会社の戦略そして方針などをまとめて、社員に持たせてください。  
 
そして、経営計画書は毎日社員に一部を読ませるようにしたら良いでしょう。

例えば、経営理念や方針の一部を読み上げるというようにです。

事業計画は5か年の利益計画を立てるといいです。
 
ただし最初から5か年計画を立てるのは無理だということでしたら、3か年計画を立ててみてください。

3年だったら、ある程度イメージができる範囲だと思います。
 
売上は現在の2倍だとして、人員は何人必要だろうか、販売促進費はいくら必要だろうか、設備投資はどうするかなどを考えます。

それゆえ3か年の利益計画(表の並びは損益計算書のようなものと思ってください)、人員計画、設備投資計画、商品別販売計画、得意先別販売計画、部門別販売計画などを策定する必要があります。

どうしても作るのが難しいと言うことであれば、まず1年間の利益計画を立ててみてください。
 
そして一度立てた計画は特別な大事件(リーマンショックや天変地異)でもない限り、決して計画の修正をしてはいけません。 

計画に達しないからといって、計画を下方修正しては意味がない
のです。

利益計画は社長が立てた「会社が存続するための目標」
です。

下方修正をするのではなく、計画を達成するにはどうすればよいか、何をすればよいかを考える前向きな材料にしてください。 

計画の未達分を何で補うかを考えることが大事
なんですね。

経営計画書は社長の魂が文章化されたようなものです。魂を込めて策定いただけたらと思います。
 
 
 
それから、採用に関しても述べたいと思います。

社長は優秀な人材を採用したいと考えておられることが多いと思います。

ただ私は、優秀な人を採用するより、社長の経営理念に共感、共鳴してくれる真面目な人を採用した方がずっといいと思います。
私も結構転職していますが、転職市場にいる人材は、あまり定着しません(笑)。

それに優秀な人だと独立を考えるでしょう。
 
また、仮に社長より優秀な人が入ってきたら、おそらく社長もやりずらいです。下手をすれば自分(社長)の居場所が無くなってしまいます。

「できる人」ではなく、「根気のある人」を採用するのがいいのではないでしょうか。
 
そして、そこそこ「運を持っている人」なら、もっといいでしょうね。
 
それと中小企業では社長が最終面接で会って採用を決めるようにしたほうがいいです。
 
やはり、企業は人です。

一番大事な人に関することを、他人任せにしてはいけません。
 
社長が面接して、経営理念を話して、共感してくれる人かどうかを見抜けばいいと思います。

面接に来た人は、口では理念を否定はしないでしょうから、反応を見て、本音をきちんと読み取ってくださいね。
 
さて、「3年で売上を倍増する方法」を書きました。
 
長くなりましたから、ポイントをまとめておきます。
 
社長が総指揮者となって、社員が自分で仕事をできる仕組みを作ってください。

それは仕事の分業でもあるし、アプローチ・ブックのようなアシストをするツール作りでもあります。
 
また、経営理念と社長の方針をきちんと立て、それを社長が社員に直接教育してください。
 
社員教育に時間をかけることを厭わないようにしてください。
 
3年で売上を2倍にする事業計画を立て、経営理念と方針と一緒に「経営計画書」にまとめます。

そして、新規採用は、経営理念に共感する人を社長が面接して決定してください。


結論を一言でまとめると、「経営理念を中心にし、個人技から組織で仕事をする会社に替える」ということになりますかね。

何か参考になりましたら幸いです。
 

どうすれば売上が伸びるのか? その1

  
今の時代に、どうやって売上を伸ばせるのか、疑問に思われる方は多いでしょう。
方法はいたってシンプルです。

しかし、その説明の前に「失敗している会社」の実例をお話ししましょう。悪い例も参考になります。

私が以前に、依頼があって出向いたのは電子部品の商社でした(詳細内容は、会社を特定できないようにするために伏せさせて頂きます)。

社員は35名、売上は単体で数十億円、連結(グループ全体で海外を含め12社ほどあったと思います)で100億円に少し届かないくらいでした。

連結決算で子会社を上手に使って黒字を出していましたが、単体ではここ何年も赤字という会社でした。

この会社の売上を伸ばして黒字にして欲しいというのが社長から私への依頼でした。

まず会社に入って驚いたのは受付、会議室、応接室の豪華さです。ちょっとしたカフェのようなコジャレた作りになっていました。

そして、一時的に座って待っていた会議室から、事務所内を通って社長室に入りました。その社長室がまた豪華なんです。

ところが、事務室は環境整備がされていないくて、とても汚く、陰気な雰囲気でした。
 
要は、社長が座るところと、「訪問した人が来て見るところ」、つまり外見(そとみ)だけにお金と手間をかけている典型的な会社でした。

社長室や会議室、受付は収益を生み出しません。それらに会社の貴重な資金を投入している時点で「儲からない会社」だということが分かります。

また、環境整備が行き届いていない会社は、社員の規律も悪く、人事関連の問題が絶えない会社が多いのです。

そして私は社長に「一週間のスケジュール」をお聞きしました。

すると、「結構、忙しいんですよ。」と言って、スケジュールを見せてくれたのですが、会う予定の人は全て社内の幹部、子会社の社長との打ち合わせばかりでした。

社内の部署長や子会社の幹部に、社長室へ来てもらう曜日を決めて、そこで指示や指導をしているのですね。それを例外なく毎週繰り返していました。

実は、会議室で待っているとき、案内してくれた秘書に私は聞いていたのです。「社長はいつも出かけて、忙しいですよね?」と。

ところが秘書は「ええ、忙しいとは思います。社長はいつも社内にいて、一日中、打ち合わせをしていますから。」と答えていたのです。

皆様は、この社長の何がいけないのかお分かりでしょうか?

 

どうすれば売上が伸びるのか? その2

 

私は社長に「お客様訪問をされていないのですか?」と尋ねました。

すると、社長は「社内での指示や打ち合わせをやらないと会社が回らないんですよ。」との答えでした。

私は「社長、社内をいくら管理したって、収益は上がらないんですよ。収益は会社の中には無いんです。お客様の要求を満たすところに収益はあります。

ところが社長は「営業はウチのエースである営業部長と次長がやっている。彼らに任せているのだから口を挟むわけにいかない」とのこと。

 

私は「社長に“営業に行け”ということを言っているのではないんですよ。お客様のところに表敬訪問をしていただきたいんです。会社にいてもお客様の要望は決して分からないですよ。」と何度か説得しましたが、平行線でしたのでコンサルを引き受けるのを辞退しました。

 

この例にありますように、赤字会社の特徴のほとんどは、「社長がお客様訪問をしていない」会社です。

私もサラリーマン時代を含め、コンサルティングを受けていただいた会社などをたくさん見てきましたが、社長がお客様訪問をしている会社はほとんどありません。

ほとんどの社長が社長室と会議室の往復だけをしていました。 

しかし、私の顧問先の社長様は皆さん「お客様訪問」を実践されて、売上及び利益を大幅に伸ばしておられます。 

では、なぜお客様のところへ行かなければいけないかを説明しましょう。

事業経営というものは、「お客様の要求に、とことん応える」ことによって収益がもたらされるものです。

それは例え“面倒なサービス”であっても、お客様の要望、要求であったら徹底して応えていくところに、企業の生きる道があるのです。

逆の言い方をすれば、小企業は、中堅・大手がやりたがらない面倒なサービスを誠心誠意行うことによって、お客様の感動を得ることができるということです。

しかしながら、お客様の要求は変化していきます。

時代の変化もあれば、価値観も変わります。

そうしたお客様の要求の変化に応じて、サービスも変えていかなければならないのです。

その正しい判断をするには社内にいてはできません。

社長がお客様に直接会って、見て、話して、感じたものによって、我社(商品やサービスを含んでいます)を変化させていくのが事業経営なのです。

この仕事は会社で最重要の仕事です。

だから、社長自らがやらなければならないのです。

 
そして、お客様の要求は、会社が憶測するものではいけません。直接聞いてみるのです。憶測しても間違っている可能性が高いので、必ず直接お客様に聞くようにしましょう。

 
では、「お客様訪問」をどのようにすれば良いかを次にお話ししましょう。
 

どうすれば売上が伸びるのか? その3

  
社長のお客様訪問は売り込みではありません。顧客確保です。まずこれを認識してください(新規獲得は別途社長の仕事になりますが、このケースは既存のお客様への訪問です)。


それゆえにちょっと普通の定期訪問と方法が違います。


まず、アポイントは取らないでください。 表敬訪問として日頃のお礼を述べ、次のことだけを聞けばいいです。

当社の至らない所、ご不満などはございますか?

何かお困りのことはございますか?

この二点でOKです。

平素のお礼以外は、お客様からの要望、苦情、不満を聞くのに徹して、こちら側の要望は言わないようにしてください。


そして、訪問は一人で行くようにしてください。

社長が一人で行くから、お客様も本音を話してくれるのです。

また、訪問時間は10分以内を目処にしてください。長居をすると次に行くと嫌がられます。 短い時間で面会して、その分、訪問回数を増やすことを考えるといいです。

最初は社長の訪問に対し、怪訝な反応をしめすでしょうが、回数を重ねていくにつれて、信頼関係が増してくるでしょう。

色々とお叱りも受けるでしょうが、それを社内変革の材料にしてください。

そして、大事なことも話してくださると思います。


実例ですが、私の顧問先A社の社長がお客様訪問をされた時に、ライバル企業の動向が耳に入りました。


かなり規模の大きい競合企業が、A社の価格よりも安い価格で営業をかけてきているということです。


社長から電話で相談を受けた私は次のようにお話をしました。


私 「その会社の会社名は分かりますか?」

社長「分かります。教えてもらいました。◯◯社です。」

私 「ありがとうございます。ネットですけど、調べるだけ調べてみます。」

社長「値段を下げたほうがいいでしょうか?

私 「いいえ、それは止めてください。値段は一度下げると、なかなか上げられません。とにかく、今はまだ決めなくていいです。お客様にも(値段のことは)何も言わないでください」

それからネットで競合企業を調べました。ホームページで場所、拠点数、従業員数などからだけでも、結構推測できるものがあります。

私は競合企業は固定費がかなりかかっていて、提示してきた価格では赤字になると見ました。 今は競合がその価格で攻めてきても長く続くことはないと判断しました。

私は社長へ「価格は下げなくていいです。今までとおり、お客様へのサービスをしっかりとしてもらえれば大丈夫ですよ」と電話でお伝えしました。

その言葉のとおり、A社は価格もシェアも落とすことなく発展をされています。
こうした競合の重要な情報も得られるのがお客様訪問なのです。


また、お客様訪問で「困っておられること」をお聞きすると、それがビジネスチャンスになる可能性があります。


「こういうのに困っている」や、「これをできないか」と言われることもあるでしょう。

それらはてお客様の要求、ニーズです。ビジネスチャンスがそこにあるわけです。

その問題を解決してあげて、他のお客様にもニーズがあるなら、ビジネスになる機会になります。


お客様の要求を正しく知るためには、社長がお客様のところへ出向いていって、教わってこなければならないのです。

そうしてお聞きした内容に応じて、事業経営を変化させていくことが大切なのです。

経済的な成果はお客様からしか得られません。

市場の答えもお客様からしか得られないのです。

                 古賀光昭です
 
神奈川県横浜市西区の経営コンサルタントでありセミナー講師。経営者にマネジメント・ソーシャルスキルの向上を指導している。夫婦経営の相談に乗ることも多数(笑)

セミナー講師としては、ポリテクセンター千葉&柏商工会議所主催 ドラッカー・マネジメントセミナー講師の実績がある(2020年度、2021年度、2022年度及び2023年度)セミナーは連続10回以上開催の長期セミナー。
 
 
1962年、福岡県大牟田市生まれ。しかしながら、兵庫県明石市や大阪府豊中市で育ったので、阪神タイガースファンの関西人(笑)
 
上智大学 大学院 博士前期課程 英米文学専攻修了  文学修士(Master of Letters   専門は英語学)

大手航空写真測量会社、上場硝子メーカー、上場IT企業等の人事・経営企画等のマネジメント職を経て、2009年7月に法人を設立し現在に至る
 
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経営の問題解決や、夫婦経営のコツ、そして阪神タイガースのおもろい話題(笑)まで、幅広いテーマで書き続けております。
(こちらのブログは以前はペンネーム、古賀光明や孔明を使用していました)