経営問答 Q&A その3 |
質問:
社長です。経営パートナーや社員などの協力者を選ぶときにコツがありましたら、教えてください。
回答:
協力者というものは考えているよりも会社に大きな影響を与えるものです。特に経営陣や経営に近い立場の人を引き抜く、または採用する場合には要注意が必要です。
人は一度の出会い、面接では素の姿を見せないものです。だから最初に面接や面談で、社長にとって”心地よい言葉”を言ったとしても、それを評価しないほうが無難です。
できれば二度、三度、四度と会ってから人柄を総合的に見る方法を取ってはいかがでしょうか?
特に食事や飲みにに行くと人柄が出るケースが多いので、そういう機会をサラッと企画するのも一案です。
また、ブログに書きましたが立ち話には本音が出やすいです。社長には本音を話さない人も採用担当者に面接時に見送りをさせて、帰る際に立ち話でさり気なく本音の話をすると、相手も本音の話をする可能性があります。
上の人には態度を異常にへりくだり、下を見下す人は若い社員に接する機会を持たせて、意見を聞いてみるといいでしょう。
それから、女性社員に会わせるのも一つの方法です。女性に変な感覚を持ちやすい人は女性に対する態度が出る場合もありますから、女性社員に印象を聞くと良いでしょう。
「何か怖いです」というかもしれませんから、そうした候補者はNGですね。
また、私がやった方法ですが、面接などで、結構厳しいこと、きついことを話して反応を見ることをやっていました。
人は感情を刺激させると本音といいますか、素が出やすいですから、怒りっぽい性格だとか、人を威圧するタイプだとかは分かります。
結局、協力者は仕事ができるのが最低条件です。仕事ができない人を雇う余裕のある企業はあまりないでしょう。それゆえ、求める仕事能力があるのが最低条件です。
次に人柄です。
社内を乱すような人ではないか、明智光秀のように上司を撃つような人でないか、サボる人でないか、お金にルーズな人ではないかなどなど、人格的な高みのない人はNGだと思います。
そうはいっても、良い人がいるかなということも思われるかもしれませんね。
でも、社長の器に応じて、良い人は来ます。
「類は友を呼ぶ」です。
ご自身の心境を高め、人格のレベルを上げることが、良き協力者を得る一番の方法だということを考えていただくと幸いです。
経営問答 Q&A その2 |
質問:
社長です。不況のせいか、事業へのモチベーションが上がりません。どうにかならないものでしょうか?
回答:
事業経営をしていて、やる気が起きないケースですね。売上が上がらなかったり、新規事業がうまくいかなかったりと、事業が想定しているように進まないときに気持ちがなえるときがあると思います。
ただ、私が感じるのは、社長の目標が小さいのではないかということです。
”Think Big”という言葉があります。「大きく考える」という英語です。人間は考える以上に大きくなることはありません。
会社の経営も小さく考えると、小さな範囲で終わってしまうのです。
色々と自信を無くすようなことが続いておられるかとは思いますが、あえて言います。
「大きく考えてください。Think Bigです!」
もう一度、大きな目標を立ててみてはいかがでしょうか?
売り上げを前年比1.2倍とかではなく、3年で3倍にするとか、5年以内に上場するとか、今までの考えの枠を取っ払って発想を大きくしてみましょう。
ハングリー精神を失うことは”年寄化”だと思います。
逆に言えば、ハングリー精神を失わないということは、その人はいつまでも”青年”だということです。
会社を設立したときには夢があったはずです。目標も持たれたでしょう。初心を思い出して、ハングリー精神を持ってみてはいかがですか?
地域に貢献する方法もあります。
「復興が1年早くなった」と言われるような企業活動をするというのもいいと思いますし、過疎化が進んでいる町の雇用を増やす目標でもよろしいかと思いますよ。
大きな目標を描いてみてください。
「そんな、誰もできませんよ」と周りが言うような目標で結構です。
見ただけで、社長が奮い立ってしまうような目標を掲げてはいかがでしょうか。
経営問答 Q&A その1 |
質問:
社長です。社員の態度が横柄で困っています。何か解決策はないでしょうか?
回答:
会社というものは不思議なもので、経営者の心を見事に表している面があります。
厳しい言い方になりますが、経営者が普段考えていることが鏡のように会社の中に姿となって現れているのです。
具体的に言いますと、経営者が自分のことばかり考えていると、社員も自分のことばかりを考えるようになります。
経営者がケチな考えを持ちますと、社員もケチな社員が集まってくるのです。
これらは「類友の法則」と言いますが、似たような人が集まってくるという法則があるんです。
また、長い時間一緒にいますと、経営者の悪いところを社員が真似するようになります。
社員が経営者の良いところを真似してくれたら良いのですが、残念ながら、悪いところほど真似するようになります。
理由は分かりませんが、私が今まで経験した会社の社員はそうでした。部下は上司の悪いところとそっくり同じになるようです。
さて、解決方法はどうすればよいかということになりますね。
一つは、社員に変わることを期待するのではなく、まずは社長自らが襟を正し、自分を向上させることです。
社員が横柄であれば、社長も横柄なんです。
社長の横柄なところが伝染して、社員が横柄になっているのです。
さすれば社長は謙虚に自らを振り返り、直すところは直し、社員に対して公平な接し方をするのです。
そうして社長が自己変革しても、もし、その社員が横柄なままだったら、真摯に話しましょう。
「君が横柄なのは、私が横柄だったからだと反省をした。だから私は自分を変えようと努力している。しかし、君が態度を改めないということであれば、社内の雰囲気が悪くなる。それは経営者としては見過ごすことはできない。このままでは一緒に仕事をすることはできない」と、腹をくくって真剣に話をしましょう。
経営は真剣勝負の舞台です。
厳しいことであっても、言うべきことは言わなければなりません。