掛布雅之2軍監督の退任とマグレガーのXY理論 |
阪神タイガースの掛布雅之2軍監督が、今期限りで退団となりました(涙)。本当に残念ですが、掛布雅之監督には心から感謝申し上げます。
掛布雅之監督!ありがとうございました!
退団の理由の確かなところは、球団や本人しか分からないところですが、おそらく金本知憲監督と掛布雅之2軍監督との指導方法の違いがあったからだと思います。
金本知憲監督は、ドラフトで高山を指名するときにスカウトに対して「大きいのが打てるか?」と質問し、「打てる」と聞いたので指名したと言ってました。つまり、高山俊は、ホームランを打てるバッターだから指名するし、ホームランバッターに育てるという意思を金本知憲監督は持っていたのでしょう。
それに対し、掛布雅之2軍監督は、高山俊が入ってきたときに、「ヒットの延長がホームランというバッターではないかな。」ということを発言していました。
「あれ、見方が違うなぁ」と私は思っていました。
金本知憲監督は、筋トレと猛練習によって眠っている能力を開花させようと考えるタイプです。そして、指導は上が管理し、強制しなければならないという考え方を持っているようです。
掛布雅之2軍監督は、選手の「顕在している強みを」伸ばすタイプで、練習も強制させるものではなく、自主性を重んじる考え方だったようです。
金本知憲監督と掛布雅之2軍監督の違いは、アメリカ経営学者ダグラス・マグレガーの「XY理論」で見るとよく分かります。
金本知憲監督は、命令や強制で管理し、目標が達成できなければ処罰する「X理論」ですね(金本知憲監督は、これに情を加えていますが)。
掛布雅之2軍監督は、理想的な目標を与え、責任を持たせて本人の自主性に任せる「Y理論」です。
経営コンサルティングで言えば、金本知憲監督が「一倉定さんの環境整備」で、掛布雅之2軍監督が「ドラッカーの目標管理」に近いと思います。
「XY理論」で見ると、「Y理論」が理想的で、管理強制する「X理論」が古い体育会系の組織のようにも見えますけど、目標が明確になっていない人(何をやったらいいか分からない人)や、責任感が伴っていない人には「X理論」は有効です。
選手の性格にもよりますが、初期の段階ではX理論によって指導して、目標と責任感を持てるようになってからY理論に移行するのがいいのではないでしょうか。
育成の仕方が違うといって、金本知憲監督が大先輩の掛布雅之2軍監督に”とやかく言う”のも難しかったのかなと思います。
金本知憲監督の長期政権を見据えて、金本監督が気軽になんでも言える2軍監督に替えて、1軍と2軍で一貫した指導育成体制にしたいのでしょうね。
掛布雅之2軍監督がいなくなるのは、本当に寂しいです。
されど、金本知憲監督が納得のいく方法で、阪神タイガースを強くしてほしいと思います!
鳥谷敬選手を変えたのは、数字だった! |
今回は、阪神タイガースの話題です。といっても、シーズンの優勝は、交流戦が終わった段階で決まっていたので、勝ち負けや順位云々の話ではありません(笑)。 阪神タイガースは、糸井嘉男選手をFAで取りました。4月、5月あたりは大活躍してチームをけん引してくれましたが、交流戦の後半くらいからケガで休んだり、長期の不調になっていました。
同時に福留孝介選手もスランプになり、阪神タイガースが勝ち星を伸ばせない原因となりました。
私はこの時に改めて鳥谷敬選手って、すごいなぁと思ったのです。
正直、阪神タイガースファンの私の鳥谷敬選手への評価は高いものではありませんでした。それは、掛布雅之選手が好きだったので、ホームランを打てるバッターを期待していたから、鳥谷敬選手が物足りなく映っていたのだと思います。
でも、今年、他チームから超人糸井嘉男選手が来てから鳥谷敬選手の偉大さがより分かりました。
やっぱり休まないレギュラーって、すごいです!
それと、シーズンで調子の大きな波がないこともすごいことです!
野球は、怪我がつきもののスポーツですけど、とにかく出続けられるって、ほんまに凄いことですわ。
その鳥谷敬選手ですが、高校時代のクラスメートであるアルナさんのインタビューがネットに載っていました。
鳥谷敬選手は、高校時代は何となーく、野球をやっていたそうです。甲子園を目指すとか、上手になろうとか、そうした目標もなかったとか。
これは早稲田大学に進んでからも変わらず、なんとな~く野球をこなしていたそうです。
ところが、1年生の秋に打率を突き付けられたときに、その思いは変わったとか。数字を見たときに、「これじゃ今後、試合に出られなくなるなぁ」と思ったそうです。
そして、数字を揚げてプロに行った選手を何人も見てきて、プロになる境界というか、「プロになれる選手には、具体的にこのくらいの数字が必要なんだ!」っていうのが認識できて、それが鳥谷敬選手の明確な目標として出てきたそうです。
それが鳥谷敬選手を変える大きなきっかけになったみたいですね。
ここで大事なことは、数字が果たした役割です。なんとな~くこなしていた日々を変えたのは、打率という数字でした。
数字が、鳥谷敬選手に自分の客観的な力や足りないものを教えてくれたのです。
これは経営でも同じです。
漠然としていた目標も、数字を明確に意識することによって、思い込みや主観から解放され、足りないところと、あといくら必要なのかが分かるようになります。
なんとな~く黒字を目指している企業と、明確な数字を持った企業では行動が変わってきます。
まさに鳥谷敬選手のようにです。
経営計画書を策定して、明確な数字目標を持たれることをぜひお薦めします!