『マネジメント』の要点 |
以前ビジネスコラムに、P・F・ドラッカーの『マネジメント』で、最も重要な文は2つあり、その一つは「企業の目的は、顧客の創造である」と述べました。
ところが、もう一つを説明しないままになっていました。今日はそのもう一つの文をご紹介しながら、事業経営の核の部分をお話したいと思います。
ところが、もう一つを説明しないままになっていました。今日はそのもう一つの文をご紹介しながら、事業経営の核の部分をお話したいと思います。
ドラッカーの『マネジメント』でもう一つの重要な文章は次のものです。
「マーケティングとイノベーションだけが成果をもたらす。」
1300ページ以上の大著であり、マネジメントを体系化した知の結晶のような本の中で最も大切な要点はこれらです。
「マーケティングとイノベーションだけが成果をもたらす。」
1300ページ以上の大著であり、マネジメントを体系化した知の結晶のような本の中で最も大切な要点はこれらです。
別の言い方をしますと、ドラッカーは企業の目的を「顧客の創造である。」と明確に定義しているのですね。
一見、単純な、ありきたりな定義のように思えますが、「企業とは何か」という命題に対し、顧客からスタートしているところがすごいと思います。
また、企業の目的を明確にすることによって、経営管理者(マネージャー)がどっちの方向へ行けばいいのかが明確になっているのです。
だから、この目的が、決してブレてはいけません。
(現実の企業には、名声であったり、金儲けであったり、威張りたかったり、社員の満足感であったりと、ブレることはよくありますから、この言葉の大切さが分かる方も多いかと思います。)
そして次に、その企業の目的を達成することができる“手段”、“方法論”は、「マーケティングとイノベーションである」とドラッカーは述べているのですね。
この「マーケティングとイノベーションだけが成果をもたらす。」と、“だけが”がついています。
極端な話、これら以外のことをいくらやっても成果はでないということになります。
さて、以前、ドラッカーと比較してお話をしました経営コンサルタントの一倉定(いちくらさだむ)さんは事業経営について次のように述べています。
「変転する市場と顧客の要求を見きわめて、これに合わせて我社をつくりかえる。」
一倉定さんの本は400ページ以上のものが9冊で「一倉定の社長学」となっていますけど、この言葉はその4000ページの中で最も大切な言葉だと思います。
ドラッカーと同じ内容を言っているのがお分かりいただけるでしょうか?
一見、単純な、ありきたりな定義のように思えますが、「企業とは何か」という命題に対し、顧客からスタートしているところがすごいと思います。
また、企業の目的を明確にすることによって、経営管理者(マネージャー)がどっちの方向へ行けばいいのかが明確になっているのです。
だから、この目的が、決してブレてはいけません。
(現実の企業には、名声であったり、金儲けであったり、威張りたかったり、社員の満足感であったりと、ブレることはよくありますから、この言葉の大切さが分かる方も多いかと思います。)
そして次に、その企業の目的を達成することができる“手段”、“方法論”は、「マーケティングとイノベーションである」とドラッカーは述べているのですね。
この「マーケティングとイノベーションだけが成果をもたらす。」と、“だけが”がついています。
極端な話、これら以外のことをいくらやっても成果はでないということになります。
さて、以前、ドラッカーと比較してお話をしました経営コンサルタントの一倉定(いちくらさだむ)さんは事業経営について次のように述べています。
「変転する市場と顧客の要求を見きわめて、これに合わせて我社をつくりかえる。」
一倉定さんの本は400ページ以上のものが9冊で「一倉定の社長学」となっていますけど、この言葉はその4000ページの中で最も大切な言葉だと思います。
ドラッカーと同じ内容を言っているのがお分かりいただけるでしょうか?
一倉定さんが言った「変転する市場と顧客の要求を見きわめて、これに合わせて我社をつくりかえる。」 という言葉は、まさにマーケティングとイノベーションのことですよね。
「市場と顧客の要求を見きわめること」はマーケティングのですし、「これに合わせて我社をつくりかえる」とは、イノベーションですね。
ドラッカーも一倉定さんも最も重要なことは、同じことを言っているのですね。
「市場と顧客の要求を見きわめること」はマーケティングのですし、「これに合わせて我社をつくりかえる」とは、イノベーションですね。
ドラッカーも一倉定さんも最も重要なことは、同じことを言っているのですね。
また、一倉定さんは「企業の正しい姿勢と対応とは、「経済的成果達成によって社会に富を貢献する」」と言われています。
ドラッカーと一倉定さんの考えを私の言葉で集約しますと、
● 企業の目的
経済的な成果によって、社会に富を供給する。
そのためには、企業は「顧客の創造」をしなければならない。
● 手段
マーケティングとイノベーションのみが成果をもたらす。
具体的には、変化する市場と顧客の要求を見きわめて、
自社や商品をその要求に合わせて革新(イノベーション)していくことである。
こんな感じですかね。
ここでやっと事業経営のポイントが出てきています。 それが何かお分かりでしょうか?
キーワードは「顧客」です。そう、お客様です。
一言でいいますと、「お客様を知ること」。
これが事業経営の一つ目のポイントです。
お客様とは現在の貴社のお客様だけではありません。
ライバル他社の商品を購入している人もお客様です。
そして、貴社やライバル会社の商品・サービスに気づいていないために、購入にいたっていない人もお客様です。良さを理解いただければ買っていただける潜在的なお客様ですね。
そしてもう一つ。これから貴社が新規の事業、新しい商品、サービスを開始したときに初めてお客様になってくださる方もお客様となります。今までとは全く違うお客様と捉えて下さい。
まとめますと、4タイプのお客様がいらっしゃいます。
① 既存のお客様
② ライバル企業のお客様
③ 潜在的なお客様
④ 新しい事業で出会うお客様
最も大切なのは①既存のお客様です。ただし、市場の変化が現れるのは、非顧客です。ここでは、③の潜在的なお客様ですね。本来お客様になってもおかしくない人が、なぜお客様になっていないか、その理由を知らなければなりません。それを得る努力はしてください。
しかしながら、非顧客の情報はなかなか得ることはできません。
非顧客に比べると、現在のお客様からは情報を得やすいと思います。社長は少なくても現在のお客様のところへ出向いて下さい。営業のためではありませんよ。
市場とお客様の要求と、その変化を的確につかんで、自社が間違った方向へ行っていないかを確かめるためにお客様訪問をしてください。
また、ライバル企業の動向、自社の販売戦略が間違っていないかをつかむためでもあります。
(ただし、以前のブログに書きましたように、新規開拓営業は社長が行なって下さい。 )
既存のお客様への訪問は、市場の変化をとらえてマーケティングをし、自社をイノベーションするためです。
社長はそちらに意識を向けて下さい。
次にもう一つの事業のポイントに移ります。
そのままズバリ、お金です。
カタカナで書くとキャッシュ・フローとなりますけど、砕けた言い方をしますと「お金から目を放さない。」となるでしょうか。
会社は資金がショートすると倒産します。
当たり前のことですが、いくらお客様がいて損益が黒字でも、お金がなくなったら終わりです。
特に不渡りを二度出したり、借入金が返せなくなったりすると倒産となります。
資金繰りは財務あるいは経理担当だけに丸投げせず、社長が必ず最終チェックすることが大事です。
財務担当や経理担当が、資金繰りの深刻な事態を黙っている可能性だってあります。
報告をうのみにするのではなく、必ずチェックすることです。
チェックしていないと、突然、「社長、お金が足りません。」と言われるかもしれません。その時には手遅れです。
また、資金繰りは月単位だけで見るのではなく、3ヶ月先、6ヶ月、1年先を見た資金繰りも確認してください。
市場とお客様の要求と、その変化を的確につかんで、自社が間違った方向へ行っていないかを確かめるためにお客様訪問をしてください。
また、ライバル企業の動向、自社の販売戦略が間違っていないかをつかむためでもあります。
(ただし、以前のブログに書きましたように、新規開拓営業は社長が行なって下さい。 )
既存のお客様への訪問は、市場の変化をとらえてマーケティングをし、自社をイノベーションするためです。
社長はそちらに意識を向けて下さい。
次にもう一つの事業のポイントに移ります。
そのままズバリ、お金です。
カタカナで書くとキャッシュ・フローとなりますけど、砕けた言い方をしますと「お金から目を放さない。」となるでしょうか。
会社は資金がショートすると倒産します。
当たり前のことですが、いくらお客様がいて損益が黒字でも、お金がなくなったら終わりです。
特に不渡りを二度出したり、借入金が返せなくなったりすると倒産となります。
資金繰りは財務あるいは経理担当だけに丸投げせず、社長が必ず最終チェックすることが大事です。
財務担当や経理担当が、資金繰りの深刻な事態を黙っている可能性だってあります。
報告をうのみにするのではなく、必ずチェックすることです。
チェックしていないと、突然、「社長、お金が足りません。」と言われるかもしれません。その時には手遅れです。
また、資金繰りは月単位だけで見るのではなく、3ヶ月先、6ヶ月、1年先を見た資金繰りも確認してください。
特に手元流動性をしっかりと確保することです。
(手元流動性 = (現預金+すぐに現金化できる資産+すぐに調達できる資金(銀行の借入枠等)) ÷ 月商 )
手元流動性を2ヶ月分持つようにして下さい。
一ヶ月の売上が1000万円ならば、現預金等で2000万円を確保することです。
資金に関しては切りがないのでここまでにしますが、事業経営の核についてまとめますと、次の2つとなります。
1.「お客様のことを知ること」
2.「お金から目を離さないこと」
ドラッカーの言うように、マーケティングもイノベーションも大切ですが、同じくらいキャッシュ・フローも大切です。
市場(お客様の好み、価値観)の要求や変化を感じ取り(=マーケティング)、会社組織や商品・サービスをイノベーションしていく。
そして常にキャッシュ・フローを意識した経営をすること。
「顧客第一主義」と「キャッシュ重点主義」
これらが事業経営のポイントであり、デフレ時代にも通用する経営の王道だと私は思っています。
マネジメントとは、何をすることか? |
ビジネスにおいて、マネジメントが大切だというのは良く聞かれると思います。
ところで、マネジメントとは、いったい何をすることだと思いますか?
私は簡単に次のようにまとめています。
”部下に目標を与えて、ミーティングをし、全体最適の結果を出すこと。”
まず、部下に何をするべきかを示さなければなりません。
次はマネジメントの方法論です。それは、ミーティングになります。
マネジメントの方法論がミーティング?と疑問を持たれる方もいるでしょう。
しかし、人は言葉でコミュニケーションを取り、モチベーションを上げることもミーティングの中の言葉なのです。ミーティングというと何人かの集まりのようですが、1対1の集まりもミーティングです。
つまり、話をすることですね。マネージャーは部下に対してコーチングする役割もあります。それも言葉が中心です。
マネジメントの方法論はミーティングであると言えるでしょう。
最後は、全体最適の結果を出すことです。
個人の成果だけではなく、組織全体として、かつ最適な結果を出すことですね。
以上がマネジメントの簡単な説明です。
売上が想定以上に上がっていた場合 |
予算あるいは販売計画を組まれている会社は多いかと思います。
月ごとの売上実績を見て、想定した以上に売上があがっていた月はありませんか?
そこにイノベーションの機会が隠れているかもしれませんよ。
P.F.ドラッカーは、「予期せざる成功こそ、イノベーションの最大の機会である。」と述べています。(P.F.ドラッカー、小林宏治監訳『イノベーションと企業家精神』ダイヤモンド社、1985年)
つまり、売上実績を見て、社長が思っているよりも売上が極端に多くなった場合、そこにイノベーションの機会なり、ヒントが潜んでいるのではないかと考えるのです。
顧客の需要に変化があって、何か新しい機会が生まれているのかもしれません。
それらの原因を知るには、社長がお客様のところを訪問することが一番です。たくさん買っていただいた、あるいはたくさん発注していただいた理由を、お客様に直接お聞きするのが良いです。
部下をお客様のところへ行かせて、間接的に聞いてはいけません。
この度のお礼を兼ねて、社長が直々にお客様を訪問し、真摯にお聞きすれば、思わぬことを教えて下さることもあるでしょう。
また、こうした情報は、情報感度が高い人が聞かないと分からないこともあります。様々な情報の奥にある機会に気づくかどうかは感度にもよりますので、社長が直接聞くのが一番なのです。
逆に、想定した以上に売上が極端に落ちている時でも、お客様のところへ必ず行ってください。
会社の存亡に関わる変化が起きているかもしれないので、他人に任せることなく、社長が直接理由を聞くのが良いです。
普段からお客様へきちんとした対応を取っていれば、お客様も正直な回答をしてくださるはずです。
もし、需要の大きな変化(価値観や好みなど)が起き、それが貴社の脅威となるようでしたら、需要の変化に応じて会社も商品もサービスも変化対応していかなければなりません。
あるいは、需要の変化ではなく、ライバル企業が出てきて、貴社の商品やサービスよりも安いものを出してきていることもあるでしょう。
では、そのような時にどうすればよいでしょうか?
月ごとの売上実績を見て、想定した以上に売上があがっていた月はありませんか?
そこにイノベーションの機会が隠れているかもしれませんよ。
P.F.ドラッカーは、「予期せざる成功こそ、イノベーションの最大の機会である。」と述べています。(P.F.ドラッカー、小林宏治監訳『イノベーションと企業家精神』ダイヤモンド社、1985年)
つまり、売上実績を見て、社長が思っているよりも売上が極端に多くなった場合、そこにイノベーションの機会なり、ヒントが潜んでいるのではないかと考えるのです。
顧客の需要に変化があって、何か新しい機会が生まれているのかもしれません。
それらの原因を知るには、社長がお客様のところを訪問することが一番です。たくさん買っていただいた、あるいはたくさん発注していただいた理由を、お客様に直接お聞きするのが良いです。
部下をお客様のところへ行かせて、間接的に聞いてはいけません。
この度のお礼を兼ねて、社長が直々にお客様を訪問し、真摯にお聞きすれば、思わぬことを教えて下さることもあるでしょう。
また、こうした情報は、情報感度が高い人が聞かないと分からないこともあります。様々な情報の奥にある機会に気づくかどうかは感度にもよりますので、社長が直接聞くのが一番なのです。
逆に、想定した以上に売上が極端に落ちている時でも、お客様のところへ必ず行ってください。
会社の存亡に関わる変化が起きているかもしれないので、他人に任せることなく、社長が直接理由を聞くのが良いです。
普段からお客様へきちんとした対応を取っていれば、お客様も正直な回答をしてくださるはずです。
もし、需要の大きな変化(価値観や好みなど)が起き、それが貴社の脅威となるようでしたら、需要の変化に応じて会社も商品もサービスも変化対応していかなければなりません。
あるいは、需要の変化ではなく、ライバル企業が出てきて、貴社の商品やサービスよりも安いものを出してきていることもあるでしょう。
では、そのような時にどうすればよいでしょうか?
まず、冷静に敵(ライバル企業)を観察することです。
決して、自社の商品やサービスを安くしてはいけません。
会社によっては、あわててライバル会社の価格よりも更に値段を下げて対抗しようとするところもあると思います。
これはやってはいけません。値段を下げることによって、自社の体力が落ちてしまいますし、ライバルがいなくなって、いざ価格を上げようにも、一度下げると中々あげることが難しくなります。
決して、自社の商品やサービスを安くしてはいけません。
会社によっては、あわててライバル会社の価格よりも更に値段を下げて対抗しようとするところもあると思います。
これはやってはいけません。値段を下げることによって、自社の体力が落ちてしまいますし、ライバルがいなくなって、いざ価格を上げようにも、一度下げると中々あげることが難しくなります。
数か月売上が減るかもしれませんが、かといって、すぐに値下げするのは止めて下さい。
まずはできるだけライバルに関して調べましょう。
「今までどのような地域(テリトリー)で市場戦略を取って来た会社なのか? 業界における占有率はどれくらいなのか?
営業担当の人員数は?」などなどありますけど、 社長の年齢、考え方、会社規模、特に社員数や拠点の場所、賃貸かどうか、なども参考になります。
貴社が小さな会社で、攻めてきたライバルが大手だとしても、大手には大手なりに間接費用が大きいという弱点もあります。
賃貸料などの経費や人件費が結構かかっているとすれば、安値で攻勢をかけてきても収益を圧迫して長続きしないことが予測できます。
それゆえ、値下げ合戦に早急に参画するようなことをしてはいけないのです。
また、ライバルを見るときには、弱点を探すことが大事です。
例えば、社長が現場やお客様の所にいかない“穴熊社長”かもしれません。
貴社がきめ細やかなサービスが売りだとして、ライバルにはサービス面で大雑把なところがあるかもしれません。
売れば良いという会社で、クレーム対応が悪いところかもしれません。
あるいは、品質、質の面で貴社よりも劣るかもしれません。
必ずライバル企業にもどこか弱点はありますので、そこを見つけ出し、「ライバル会社は、当社にどう衝かれたら嫌か」を考えて行動するのです。
ライバル会社の弱いところを見つけ、そこを衝くのが勝負の鉄則です。
例えば、社長が現場やお客様の所にいかない“穴熊社長”かもしれません。
貴社がきめ細やかなサービスが売りだとして、ライバルにはサービス面で大雑把なところがあるかもしれません。
売れば良いという会社で、クレーム対応が悪いところかもしれません。
あるいは、品質、質の面で貴社よりも劣るかもしれません。
必ずライバル企業にもどこか弱点はありますので、そこを見つけ出し、「ライバル会社は、当社にどう衝かれたら嫌か」を考えて行動するのです。
ライバル会社の弱いところを見つけ、そこを衝くのが勝負の鉄則です。
企業の目的は何でしょうか? |
ビジネス書で最も優れた名著は、P.F.ドラッカーの『マネジメント』だと思います。日本語版で上下二冊、1300ページ以上の大著ですが、その中には示唆に富んだキーワード、文章がたくさん書かれています。
私は、その中で最も重要な文を二つに絞ってみました。
一つは「企業の目的は、顧客の創造である。」です。
(もう一つは、別の機会に述べますね)
この文章は、企業がお客様の立場、お客様の視点を忘れないようにするためにも重要な言葉です。
また、企業の成果がどこにあるかを示してくれる道しるべになっています(成果は社内になく、社外にあること)。
しかしながら、私は尊敬するドラッカーの定義を一歩進めて、企業の目的を定義したいと思うのです。
「企業の目的は、人々の幸せを創造することである。」と。
そして、その目的の達成のために、「顧客の創造と利益の確保が要求されるのだ」と思っています。
企業こそが、製品、商品、サービスを提供して、人々の暮らしを豊かに、便利にしています。
次から次へと、それらが市場に出されることによって、富の循環や幸せの循環が起きているのではないかと思っています。
また、人を雇用することによって、お金と言う富を従業員へ提供しています。そして、そのお金を従業員が使うことによって、富が再び循環するのです。
正しい富の使い方をすれば、富の循環に伴って、喜びや幸福も一緒に循環していくと思います。
その上、社員として会社で働く中で、人間の精神や知恵の向上があるのではないかと思うのです。
私は本を読むのが好きなので、仮に大金持ちだったとしたら、サラリーマンになる必要もなく、家で本ばかり読むことができたら一見幸せかもしれません。でも、それでは人間的な成長は無かったのではないかと思います。
サラリーマン時代にはつらい経験もありましたが、その経験が自分自身の人格の向上にプラスになっているとしか思えません。
そうした職場を通じて知識・経験を学ぶ中に、人間性を高める働きがあったのではないかと思います。
しかし、「企業の目的が幸福を創造し、提供すること」と言っても、企業競争で敗れていく会社には、リストラや倒産など不幸な事実があるので、不幸を生み出しているのではないかという意見もあるかと思います。
実際のビジネスの現場では、勝つ企業、負ける企業が生まれます。
そのような厳しい経営環境において、人々へ幸せを提供するような考えは、甘いのではないかという意見もあるでしょう。
この命題を詳しく説明すると、ハーバード大学のマイケル・サンデル教授のような長い説明になってしまうので、私は簡単に結論を述べたいと思います(ちなみに、サンデル教授は人に考えさせる材料を提供するのはとても上手ですが、教授の結論はいつも良く分かりません。結論は各人で出してくれということなのでしょうか)。
正しい経営の元で、企業間に競争が起き、勝者と敗者が出ても、それは許されることなのではないかと思っています(ただし、後に述べる前提条件があります)。
確かに、敗者の企業では、リストラがされたり、倒産が起こったりするかもしれません。そのこと自体は大変不幸なことです。
ただ、企業が切磋琢磨する中で、よりよいサービスや製品が生まれているのも事実です。
そしていくつかの企業が同じ市場に参入しているおかげで、私達は色々な商品やサービスを選ぶことができます。これは消費者にとって有難いことです。
韓国でしたら、サムスン製のテレビしか選べないかもしれません。でも日本なら、パナソニック、日立、ソニー、東芝、シャープ等々たくさんのメーカー品が選べます。
たくさんの選択ができるということは、幸福な状態だと言えるのではないでしょうか。
それと、プロ野球に例えてみます。
プロ野球選手は、プレーの結果に生活がかかっています。肝心な所でホームランを打たれて負け投手になった選手は、自信を無くして野球を辞めるかもしれません。それによって、収入を失い、家族もつらい思いをするでしょう。
しかし、かといって皆が平等に勝てるようなシステムを作れません。それは八百長の世界です。
真剣に勝負をする中に、人は感動して野球を見ています。
負けてプロ野球界を去ることになる人が出ますが、そうした人が次の仕事なり、次の人生をきちんと送れるような柔軟な労働市場があれば、またチャンスもあるわけですし、ビジネスで成功することもできるのです。
そうです、こうした考えは、企業の競争においても必要だと思います。
リストラされた人が、また違う会社で働ける活気のある社会が必要です。
倒産した人がもう一度チャレンジできるような元気な社会が必要です。
失敗した人が、もう一度立ち上がれるような社会が必要ですし、セーフティーネットも充実させるといいでしょう。
企業間競争にたまたま敗れても、柔軟で活発な労働市場があれば、またやり直せます。
企業は人々の幸せを願って、様々な製品やサービスを心をこめて創っていき、その中で失敗する人がいても、再びチャレンジできるビジネス社会が求められていると私は思います。
私は、その中で最も重要な文を二つに絞ってみました。
一つは「企業の目的は、顧客の創造である。」です。
(もう一つは、別の機会に述べますね)
この文章は、企業がお客様の立場、お客様の視点を忘れないようにするためにも重要な言葉です。
また、企業の成果がどこにあるかを示してくれる道しるべになっています(成果は社内になく、社外にあること)。
しかしながら、私は尊敬するドラッカーの定義を一歩進めて、企業の目的を定義したいと思うのです。
「企業の目的は、人々の幸せを創造することである。」と。
そして、その目的の達成のために、「顧客の創造と利益の確保が要求されるのだ」と思っています。
企業こそが、製品、商品、サービスを提供して、人々の暮らしを豊かに、便利にしています。
次から次へと、それらが市場に出されることによって、富の循環や幸せの循環が起きているのではないかと思っています。
また、人を雇用することによって、お金と言う富を従業員へ提供しています。そして、そのお金を従業員が使うことによって、富が再び循環するのです。
正しい富の使い方をすれば、富の循環に伴って、喜びや幸福も一緒に循環していくと思います。
その上、社員として会社で働く中で、人間の精神や知恵の向上があるのではないかと思うのです。
私は本を読むのが好きなので、仮に大金持ちだったとしたら、サラリーマンになる必要もなく、家で本ばかり読むことができたら一見幸せかもしれません。でも、それでは人間的な成長は無かったのではないかと思います。
サラリーマン時代にはつらい経験もありましたが、その経験が自分自身の人格の向上にプラスになっているとしか思えません。
そうした職場を通じて知識・経験を学ぶ中に、人間性を高める働きがあったのではないかと思います。
しかし、「企業の目的が幸福を創造し、提供すること」と言っても、企業競争で敗れていく会社には、リストラや倒産など不幸な事実があるので、不幸を生み出しているのではないかという意見もあるかと思います。
実際のビジネスの現場では、勝つ企業、負ける企業が生まれます。
そのような厳しい経営環境において、人々へ幸せを提供するような考えは、甘いのではないかという意見もあるでしょう。
この命題を詳しく説明すると、ハーバード大学のマイケル・サンデル教授のような長い説明になってしまうので、私は簡単に結論を述べたいと思います(ちなみに、サンデル教授は人に考えさせる材料を提供するのはとても上手ですが、教授の結論はいつも良く分かりません。結論は各人で出してくれということなのでしょうか)。
正しい経営の元で、企業間に競争が起き、勝者と敗者が出ても、それは許されることなのではないかと思っています(ただし、後に述べる前提条件があります)。
確かに、敗者の企業では、リストラがされたり、倒産が起こったりするかもしれません。そのこと自体は大変不幸なことです。
ただ、企業が切磋琢磨する中で、よりよいサービスや製品が生まれているのも事実です。
そしていくつかの企業が同じ市場に参入しているおかげで、私達は色々な商品やサービスを選ぶことができます。これは消費者にとって有難いことです。
韓国でしたら、サムスン製のテレビしか選べないかもしれません。でも日本なら、パナソニック、日立、ソニー、東芝、シャープ等々たくさんのメーカー品が選べます。
たくさんの選択ができるということは、幸福な状態だと言えるのではないでしょうか。
それと、プロ野球に例えてみます。
プロ野球選手は、プレーの結果に生活がかかっています。肝心な所でホームランを打たれて負け投手になった選手は、自信を無くして野球を辞めるかもしれません。それによって、収入を失い、家族もつらい思いをするでしょう。
しかし、かといって皆が平等に勝てるようなシステムを作れません。それは八百長の世界です。
真剣に勝負をする中に、人は感動して野球を見ています。
負けてプロ野球界を去ることになる人が出ますが、そうした人が次の仕事なり、次の人生をきちんと送れるような柔軟な労働市場があれば、またチャンスもあるわけですし、ビジネスで成功することもできるのです。
そうです、こうした考えは、企業の競争においても必要だと思います。
リストラされた人が、また違う会社で働ける活気のある社会が必要です。
倒産した人がもう一度チャレンジできるような元気な社会が必要です。
失敗した人が、もう一度立ち上がれるような社会が必要ですし、セーフティーネットも充実させるといいでしょう。
企業間競争にたまたま敗れても、柔軟で活発な労働市場があれば、またやり直せます。
企業は人々の幸せを願って、様々な製品やサービスを心をこめて創っていき、その中で失敗する人がいても、再びチャレンジできるビジネス社会が求められていると私は思います。