導入事例集|関係性と自分軸の回復から始まる企業支援
問いと対話が生きる場面をご紹介します。
私のメンタリングは、企業のための研修ではありません。
けれど、人が自分の軸を思い出し、関係性を整え、問いを受け取る時間を持つことで、結果として組織の空気が変わることがあります。
ここでは、実際に関わらせていただいた企業での事例と、過去の支援経験をもとに構成した想定事例をいくつかご紹介します。
どれも、私にとって大切な時間の記録です。
※事例①〜③は、過去の支援経験をもとに構成した想定事例です。事例④〜⑥は、実際に関わらせていただいた企業でのご経験をもとに記載しています。いずれも、個人や企業が特定されないよう配慮しています。
事例①|経営者自身の対話から始まった変化(想定事例)
業種:製造業(従業員50名)/対象:代表取締役
代表者が「社員との関係性がぎこちない」「後継者が育たない」と感じていた。
メンタリングを通じて、自身の価値観や言葉の使い方を見直し、社員との対話の質が変化。
数ヶ月後、社内に「話してもいい空気」が生まれ、若手社員が自ら意見を出すようになった。
事例②|管理職向けの少人数対話の場(想定事例)
業種:飲食サービス/対象:中間管理職4名
現場での人間関係のストレスや、指示の伝わりにくさに悩んでいた管理職が対象。
「問いを受け取る時間」「選ぶ力を見つめ直す時間」を通じて、自分自身の在り方に気づき、部下との関係性が改善。
結果として、離職者が減り、現場の空気が落ち着いた。
事例③|後継者候補との個別メンタリング(想定事例)
業種:老舗小売業/対象:次期社長候補(30代)
「自分に社長が務まるのか」という不安を抱えていた後継者候補。
メンタリングを通じて、「自分らしい経営とは何か」を問い直し、少しずつ自分の言葉で社員と話すように。
半年後、社内での信頼が高まり、引き継ぎが自然に進み始めた。
事例④|自分らしさの回復が、経営の安定につながった企業(実体験)
業種:介護サービス業/対象:代表夫婦
社長であるご主人が強い口調で奥様に接し、奥様も常に反発されていて、冷静な経営判断ができない状態が続いていた。
私は経営会議に第三者として同席し、三人で会議を進めることで経営は継続できていたが、根本的な関係性の改善には至っていなかった。
ある日、奥様がずっと押し込めて、忘れようとしていた“自分の素晴らしさ”に、そっと触れる機会があった。
私はそれを静かに思い出していただけるようにお声がけした。それは「歌うこと」だった。
奥様はその後、プロの指導を受けるようになり、歌を通じて自分らしさを取り戻された。
それと同時に、夫や会社のことを冷静に見つめる力が育ち、上手に距離を取りながら関係性を整えていかれた。
結果として、事業は順調に進み、ご自身はステージで歌を披露されるまでになった。
事例⑤|セミナーの中で生まれた問いと気づき(実体験)
業種:複数企業合同/対象:管理職層/形式:マネジメントセミナー内のグループ対話
講師として関わっていたマネジメントセミナーで、5〜6名のグループをつくり、異なる企業の方々を組み合わせて、ドラッカーの問いをもとに対話していただきました。
他社の考え方に触れることで、参加者は自分の視点の偏りや、組織内での思い込みに気づき、まさに「目から鱗が落ちる」ような体験をされたようでした。
職場に戻ってからの関係性や意思決定の質が変わったという声も多く、セミナーの中でも特に評判の高い時間となりました。
今振り返ると、これは私が無意識にメンタリング的な場づくりをしていた時間だったのだと思います。
事例⑥|夫婦間の葛藤と企業の再生(実体験)
業種:介護サービス業/対象:代表夫婦/形式:個別メンタリング+関係性支援
経営者ご夫妻の間に深い葛藤があり、経営にも影響が出ていた企業でのことです。
ご主人が家を出られた際、私にだけ連絡をくださり、私はすぐに奥様のもとへ伺いました。
落ち込んでおられた奥様の話を、静かに、丁寧にお聞きするうちに、少しずつ元気を取り戻されました。
ご主人の居場所をお伝えし、改めてお二人で話し合っていただくことに。
翌日、ご主人は戻られ、私はそれぞれの言葉を一人ずつ受け止めながら、「もう一度、力を合わせてみませんか」とお声がけしました。
離婚には至らず、企業はその後、関係性の回復とともに発展していきました。
どの事例も、その日に成果が出たわけではありません。
けれど、自分を取り戻した方々の歩みは、驚くほど力強く、確かなものでした。
私は、その歩みに、一所懸命に寄り添ってきました。
クライアントの方々は、私に安心感と信頼を寄せてくださり、
私は、静かに軸を持って、その時間を支えていたのだと思います。
そうした積み重ねが、組織の空気を静かに、でも確かに変えていく――
それが、私のメンタリングのかたちです。