夫の操縦心得 |
夫婦経営のコツとして、奥様に対してアドバイスを書いていきます。「夫の操縦心得」のようなものです(笑)。
ご主人が社長で、奥様が副社長、専務などの役員だとか、経理を担当しているというケースを想定しています。
一つ目は、社長であるご主人を「人の心を察してくれる人」とは、ゆめゆめ思わないことです(笑)。
誤解のないように言いますが、あなたのご主人だけがそういう人だという意味ではありません。
誰でも自分のことを考えることで頭が一杯なのです。
こんな厳しい世の中に、他の人のことを考える人がいたら奇特な人です。そんな人は、天国から降りてきた天使です。
あなたのご主人に白い大きな羽根がないのなら、普通の生きた人間だということを忘れないでください(笑)。
頭の中には欲もいっぱいあるし、頭にきたら怒るし、調子の良いときは機嫌がいいし、自分のことをいつも考えている普通の人です。
でも、あなたや家族のことを考えている人でもあるのですよ。
期待しすぎると、腹が立ちます(笑)。
「なんで?!」と思うと、イライラします(笑)。
お互いに同じ血の通った人間で、完璧な人間なんて有り得ないと思った方が得ですね(笑)。
夫を「過大評価」すると、夫が天狗になって転ぶことがあります。ただし、過大評価をされて、夫は悪い気はしないでしょう(笑)。
されど、過小評価をすると「男の尊厳」に傷がつくので、やらない方が良いです。
へたをすると恨まれます(笑)。
根に持つ人だと、何年、何十年と気にすることもあります。
人間は、自分が持っていると思う能力より低く見られると感情的になりますので、夫婦であっても要注意なのです。
特に男性はプライドで生きています。
夫のプライドをポキッと折らないようにしてもらうといいですね。
では、妻がどんなことを言うと夫のプライドが傷つくのでしょうか?
それは、目にはっきりと見えるもの、ことです。外に出ている成果や結果ですね。
例えば、経済力。年収や会社での地位です。 キャリアですね。
それから身体に関係することですかね、背の高さだとか、足の長さ(笑)だとか、体つきがどうこうとかです。 それと、学歴ですかね。
これらは、目に見えているものです。
では、目に見えていない内面のことなんかを否定したらどうでしょうか?
「あなたの性格は悪い!」と言われたら怒る人は多いでしょう。でも、プライドが傷つく人は少ないでしょうね。
結局、男性は、他の男性と比較しやすい「数値や見た目や経歴」に弱いということです。
こうした点を気をつけていただければ、ご主人のプライドを傷つけることは、かなり少なくなると思います。
夫婦経営でのワンマン経営のあり方 |
「ワンマンではダメ」という言葉に耳を傾ける必要なし
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実は、2010年10月のブログ「古賀光昭のビジネス相談」に、「事業経営はワンマンが正しい」という文章を私は書いていました。
稲盛和夫さんがそう書かれていたので、やっぱり「合っていたんだな」と再確認できました。
「ワンマンではダメ」ということに対し、稲盛和夫さんは次のように述べておられます。
「それは自分で経営したことがない人がいう言葉です。
経営者はそんな悠長なことはいっていられないのです。」
では、中小企業によくある「夫婦経営」の場合のワンマン経営はどうあるべきでしょうか?
たとえば、夫が社長で、奥さんが経理担当で副社長か専務。
奥さんにしてみると、「夫が何でも口を出してきて、うっとおしい。何でも決めるから、いやになる。」という不満があるかもしれません。
逆に社長である夫の側は「いつも俺のやることに口を挟んでくる。ほんとにうるさいやつだ。」と思っていることもあるでしょう。
ただ、私だったら、社長は専務(奥さん)の意見を聞いてもらいたいですね。
私ならそう指導します。
そして、「奥さんの意見をよく聞いた上で、自分の責任で決断してください。」といいますね。
結局、いくつも選択肢があっても、最終的には一つを選ばなければなりません。
そこは社長である人の責任と決断になります。
奥さんは、意見は意見として言うべきことを言って、最終的な決断は社長に任せ、その決断を尊重して応援していくことが大切ですね。
そして、社長はきちんと奥さんの言わんとしていることを汲み取って、会社としてベストの答えを決断してください。
決断をしたなら、その結果責任は自分で取ることです。
これが夫婦経営でのワンマン経営のあり方だと思います。
夫婦経営には、潤滑油になる人が必要 |
夫婦経営のコツを話す中で、私は「夫婦の意見の対立はいいことだ」と述べてきました。
人が一人入るだけで、全然違う感じになります。効果はありますよ!