商売がうまくいかないとき、妻はどうするべきか? |
夫婦の間のコツ |
夫婦経営が離婚になってしまうとき |
夫婦経営のコツの話で、私はなるべく夫婦仲が良くなる方向での話をしてきました。
でも、どうしても相手が許せないとか、「もう無理!」ってこともあると思うんです。
そうなると、離婚しても仕方がないですよね。
仕事の危機と家庭の危機 |
仕事の危機と家庭の危機」との関連についてお話をしたいと思います。主に夫婦で経営をされている方に参考となる内容かと思いますが、サラリーマンの方や主婦の方にも参考になれば幸いです。
仕事と家庭の危機は結構連動しているものです。
パターンは大きく3つあるように思います。
① 仕事の危機 → 家庭の危機
② 家庭の危機 → 仕事の危機
③ 仕事の成功 → 家庭の危機
矢印は、矢の指す方向へ影響が出ていると捉えてください。
①でいいますと、仕事(又は経営)の危機が家庭の危機にまで影響がおよぶというパターンです。
少し具体的に言いますと、経営がうまくいかなくて、会社が倒産するとします。そして、その後、家庭がバラバラになったり、離婚したり、子供が反抗したり、家族の心が荒んでしまうような例です。
これは経営者でなくても、サラリーマンでもあるケースです。
今までは順調に仕事をしていても、市場の環境が急激に変わって、以前のような成果が出せなくなるようなことがあります。
あるいは、転職や人事異動などで職場環境が変わり、うまく順応できなかったり、成果が出せなかったりすることもあります。
そうした仕事での失敗によって、極度に落ち込んで自殺願望を持つこともあります。また、心がすさんできて暴力的になったりして、それが家庭に影響して壊れることがあります。
よくあるケースが離婚です。
収入が減ったり、ストレスが増えたりして、それが家庭内でうまく処理ができずに夫婦喧嘩になってしまったり、相手を責めたりして、結局は離婚してしまうパターンです。
そして、夫婦が喧嘩しているところでは、子供さんが一番つらい目にあいます。 不登校になって引きこもりになったり、暴力をふるうようになったりなど、何らかの不調を訴えることがあるかと思います。
仕事の危機が家庭に悪影響をおよぼすことをお話しましたが、逆に家庭の危機が仕事へ悪影響を及ぼすパターンもあります。
それが②です。
①とは逆のパターンで、家庭の危機が、仕事の危機につながってしまうケースです。
離婚するまではいかなかったけれども、結婚当初から、どうも夫婦関係がしっくりといかないという場合です。
そして、こうした夫婦なのですが、夫婦のどちらかが会社設立を提案して(大抵の場合は夫だと思います)、この時は夫婦の意見が一致し、事業を始めます。
しばらくはいいのですが、だんだんと夫婦喧嘩が絶えなくなり、それが経営に影響していきます。
どちらが経営のリーダーシップを取るかで、もめるくらいならまだいいでしょう。
ところが、経営者夫婦が離婚すると、事業をどちらが握るかで争うことも起きます。
ただ、最悪なのは、夫婦のどちらかが会社の実印や銀行印を持っていて、一方的に事業やお金を持っていくことです。
配偶者のどちらかが、会社の印鑑すべてを持っていたら、こういうこともあるのだというのは知っておいた方が良いと思います。
また、夫婦仲が悪いケースだけではなく、子供さんが暴れたり、不登校になったりと、子供に関することで家庭に悩みが起きることもあります。
その場合、経営者の場合だけではなく、サラリーマンであっても仕事に影響が出ると思います。
ただし、中には夫がサラリーマンで単身赴任などをして、家のことをほったらかしにして、奥様に子供のことを全部押し付けることもあるでしょう。
そうしたら、奥様の方が精神的に壊れてしまいます。
まぁ、夫の方も家庭の問題から逃げていたら、結果的にはどこかで何らかの”躓き”があると思いますが。
二つのパターンで「仕事の危機と家庭の危機」が強く連動していることを説明しました。
大事なことは、そうした連動がよくある事実なのだと知っておくことです。
仕事の危機、あるいは家庭の危機が来た時には、別の危機を呼び込みやすいのだということを知っておいてください。
次に大事なことは、「負けない戦い」をすることですね。
これは、何を守れば最終的に「負けにならないのか」を決め、その線を引くことですね。勝ちではないけれども、ここを守り切ればいいんだというところをはっきりと固めることです。
例えば、①のケースでは、仕事の危機、会社の倒産などが起きたときに、社長として従業員を路頭に迷わせないというのが負けない線かもしれません。
スポンサー企業を見つけてきて、新しい経営者の元で働けるようにしてあげる方法です。
また、自分の家族では、仮に家や財産を失っても、子供に学校だけは通わせてあげるというのもあるでしょう。
あるいは、子供たちの心が荒ばないように、子供たちの人間らしさを守るという負けない戦いもあると思います。
そうした自分なりに立てた「最後の最後に守るべき線、砦」を、どんなことがあっても守ろうと腹をくくることです。
そのためにできることは、「地べたに這いつくばるように」してでも、全てやる気持ちが大切ですね。
下げたくない頭を下げることも必要でしょう。市役所、区役所、ハローワークなどの行政や色々な専門家に足しげく通って相談することも必要でしょう。
とにかく、従業員や家族を守るんだと決めたら、家を取られようが、財産を無くそうが、最後まで守るべきものを死守することです。
ところで、家庭の危機がスタートの場合はどうするかという問題があります。
先に家庭の危機がある場合の対処方法です。
先に述べましたように、先に家庭の危機がある場合は、元々夫婦仲がよくないというのが多いかと思います。
話し合いをするのが面倒だと思うこともあるでしょうし、相手が”どなる”ので話し合いができないということもあるでしょう。
ただ、逃げずにきちんと話をしたほうがいいです。
そして、できれば相手の気持ちを理解してあげることが大切だと思います。
お互いに直せるところは直した方がいいですし、不快な思いをさせているところがあるのなら、それは改めたほうがいいでしょう。
相手がすぐに変わることを期待するだけではなくて、時間を待ってあげることも大切かと思います。
今はできなくても、時間が経てばできるようになることもありますからね。
色々な危機を夫婦で乗り越えながら、年月が過ぎて、一緒に年も取りながら、それなりに落ち着いてくることもいいものですよ。
なんともいえない充実感があるものです。
また、子供さんの問題などは専門のカウンセラーに相談するといいでしょう。
自分たちでは気がつかない原因があるものですし、専門家に入ってもらわないと解決しにくいことも多々あります。
夫婦の問題もカウンセラーに相談するといいと思いますね。
家庭の問題は、経験したものでないと分からない結構つらいものであります。そして自分たちだけでは解決が難しいものでもあります。
ただ、逃げずに、専門家に相談するなり、誠意をもって相手に接することが大事かと思います。
そして、すぐに結果を求めようとせずに、時間を耐えることも必要です。自分中心に考えるのではなく、相手を尊重してあげることが大切ではないでしょうか。
このパターンは、仕事で成功したのはいいが、家庭が壊れる場合が当てはまります。
また、仕事の成功によって慢心して心にスキができ、女性社員と関係してしまったり、外に愛人を持ったりすることがあると思います。
大事なことは、成功している中に、失敗の芽が入っているということです。
人間は大失敗したときにショックで何も考えられないことがありますが、大成功したときにも自分を見失うことがあります。ある意味、有頂天のときの方が危ないと言えるかもしれませんね。
成功しているときほど、過信をせず、謙虚に事業をすることだと思います。
倒産する会社の社長は慢心しているケースが多いですから、順調なときほど自分にスキがないかどうかを振り返っていただくといいと思います。