後継者には失敗を経験させる
 
同族企業で、子供さんに後を継がせる場合に、一つコツがあります。

それは、入社して、年齢が若いうちに、小さな失敗をさせておくことです。

これはGE(ゼネラル・エレクトリック社)でも行われている手法なのですが、後継者をあえて失敗するような部署に配属させて、失敗を経験させておくと、その教訓が生きるということですね。
入社させても、すぐに社長にしないで、取締役なり、部長なりの仕事をさせながら、失敗するような難しい部署に配属するといいでしょう。

大きな失敗をして会社に致命傷を負わせるようなことだとまずいですが、小さな失敗であれば取り返せますので問題ありません。

あえて、失敗させて、挫折を経験させるのも大切です。

また、失敗のリカバリー方法を実際に経験することや、経済的な損失を認識させるのも必要でしょう。

小企業で失敗をさせるのは、少しパワーが要りますが、後継者の方の将来のために考えていただけたらと思います。
 
 
    事業を子供に継がせたい方へ
 
 同族経営の会社だと、90%が自分の子供に経営を継がせたいと思っているそうです。創業して5年で残っている会社は15%しかありませんし、10年だと6%、20年だと0.3%です。30年だと0.02%しか残りません。1万社創業しても2社しか残らない計算です。

だから、子供の代まで経営が続いていること自体が凄いことですから、子供に継いでもらうことができればベストですよね。

ただし、社長、何歳で継がせるか決めていらっしゃいますか?

ほとんどの社長は「だいたい~、自分が○歳くらいのときかな~」みたいに答えられます。

それを一度、紙に書かれるといいですよ。

 社長が何歳のときに引退して、そのときに子供は何歳になっていますか?それを書いてみるといいです。
 

そして、次が大事なのですが、重要な社員は何歳になっていますでしょうか?

それも一緒に書いてください。

社長の腹心(No.2)のような人もいるでしょうし、経理を任せている女性などもいませんか?

あるいは、トップ営業マンなどのその時の年齢はいくつでしょうか?

社長が今使っている幹部は、後継者の子供よりだいぶ年上ではないでしょうか?

それらの幹部を、息子なり、娘が使えると思いますか?

使えるようなら(もちろん、社員から尊敬されながらという意味です)大丈夫です。

でも、よくあるのが、後継者は仕事が分からないので指示ができないパターンか、きつい口調で命令をするけど社員は面従腹背というパターンです。
 
そこで考えなければいけないのが、後継者が扱いにくいベテランの処遇です。退職金を渡してタイミングをみて辞めていただくか、同業種の独立を認めて辞めてもらうかなどを考えないといけません。

決して恨まれてはいけませんし、敵対しないようにしないといけないので、細心の注意を払わなければいけませんが、厳しい判断を迫られるときがいずれくるでしょう。

 まずは、先に述べた紙に具体的な名前と年齢を書いて、冷静にご覧になってください。何か見えるものがあるはずです。
 
 
    同族経営の後継者の方へのメッセージ
 
同族企業の後継者の方は、事業を継ぐことについて、どのようにお考えでしょうか? 例えば、父親がやっていた事業を継ぐのが「かっこ悪いし、嫌だなぁ」と思っている方も多いのではないでしょうか。

そんな同族企業の後継者の方に、興味深いことをお話しします。

 私はスピリチュアルなことを何十年も勉強していますが、その中で知ったことは、人は生まれる前に親を決めてくるということです。
 
決めてくるだけではなく、親に対して「子供として生まれますから、よろしくお願いします」と頼んでいるらしいですね。そして、親はしぶしぶなのかどうか分かりませんが、それを了解して、生まれ来ているそうなんです。

 面白いですよね。

そうしたら、親の事業が何かを知っていた可能性が高いですし、親の後を継ぐのも生まれる前の人生計画とおりということになります。

 スピリチュアルな話なので、信じない人はいいですけど、信じられる人は、そうなんだなって知ってもらいたいんですよね。

だから同族経営の後継者の子供さんは、この家業を自分が引き継ぐことは自分の意思で決めていたのだということですね。

この家に長男で生まれたから仕方なく、ではなく自分の意思だということです。

 人生を親の視点ではなく、自分の視点から見直してみるのもいいのではないでしょうか。