新商品の開発について | |
今回は、新商品の開発についてお話ししましょう。
試作品を作るときには、一切のコストを無視して完璧なものを始めに作ります。 コストを考えて作るといいものができません。
とにかく、コストを度外視し、最高の製品を作ります。
そして、次に品質を落とさずに製造コストを下げる方法を考えます。
この順序が大事なんです。
まずコストを全く無視して、完璧な製品を作る。
次に品質を維持したまま、製造コストを下げるあらゆる方法、手段を考えることです。
コスト病になったら、お客様が喜ぶ製品ができません。
お客様の支持がある会社が生き残れることを忘れないようにしてください。
二つの選択肢ではなく三つの選択肢を | |
経営や仕事に関して、色々と判断に迷うことも多いかと思います。
進むべきか、撤退すべきか。
右に行くか、左に行くか。
そうした二つの選択肢で判断された人も多いでしょう。
しかし、何かを決めるときに、3つの選択肢を考えるようにしてはいかがでしょうか。
進むか、撤退かではない「第三の道」を考えてみるのです。
例えば、ある事業をこのまま進めるのか、撤退するのかという悩みがあるとします。
その時にもう一つのアイディアを出してみましょう。
このケースでしたら、その事業を分社して社員に譲渡する方法などを考えてみるのです。
右に行くか、左に行くかと、二つの選択肢で悩むのではなく、「まっすぐに進んでみる」といった第三の道を創造してみるといいと思います。
二つの選択肢だと、極端な結論になるケースが多いです。
「何か違った発想や選択肢があるのではないか」と、常に3つのアイディアを出すようにしてはいかがでしょうか?
何か判断すべきことがあったら、「三つ出すぞ。三つ」と、必ず三つの選択肢を出してから意思決定する習慣を持つといいと思いますね。
極端な結論に走らない予防策になると思います。
フィードバックの仕組みを作る | |
今回のテーマは「フィードバックの仕組みをつくる」です。
言い換えますと、「指揮命令者は現場に足を運びなさない。」です。
軍隊では、命令を出した将校が「自分で戦場を確かめるのが、唯一の信頼できるフィードバックだ」と言われています。
部下の報告では正しい状況が伝えられる可能性は低いのです。
これは、現実の会社も同じだと思います。社長は役員や管理職者を通じて、自分が達成したいことを指示命令しているはずです。
しかし、命令をした後に、指示命令の出しっぱなしではいけません。必ず現場に行って確かめる必要があります。 これは目標数字を現場が達成していても、やらなくてはなりません。
例えば、売上目標の数字があって、それを達成したという結果が社長に挙がってきたとします。
しかし、現場に行ったらモチベーションはガタガタで、今月は良くても、来月は目標達成できるような組織の状態ではないかもしれません。
これはほんの一例で、現場に足を運べば、そこでしか得られない貴重な情報が掴めます。 また現場はお客様に一番近いところです。
お客様のご意見や率直な気持ちを聞けるチャンスもあります。 厳しい経済の時代には迅速な変化も必要です。現場で生の声を掴みながら、迅速に変化対応していかなければならないのです。
経営者や経営幹部の方は、フィードバックの仕組みを指示命令の中に取り入れてください。
フィードバックの結果を一番”正確に”知るべきなのは経営者ですから。
経営で最も大切なもの | |
経営の第一のポイントはものは何だと思われますでしょうか?
私は、「経営者の考え方」だと答えるようにしています。
様々な経営論や経営手法などがあります。しかし、一番大事なのは、経営者の考え方です。
経営者がどのような人生観、価値観、世界観を持っているかが、企業にとって最も大切なことになります。
なぜなら、経営者の考え方が、経営理念になったり、指揮命令となって形に現れたり、事業の目的となって現れたりします。
会社の方向性を決め、会社の性格を決めているのは、「経営者の考え方」、あるいは「経営者の心」なのです。
ですから経営者の人生観や価値観が、企業の成否の鍵を握っていると言えます。
では、「経営者にとって正しい考え方とは何か」、ということになります。
私は「愛と光」を軸とした考え方と言っています。
「愛」というのは、利他(りた)の心です。人々や社会に貢献しようとする気持ちです。自分(経営者)のことだけを考えるのではなく、社員を育てたり、思いやったりする心を指します。
また、「光」というのは、明るい考え方、前向きな考え方という面があります。それ以外に、正しいという意味もあります。
悪い考えを持つのではないという意味もありますし、職場を明るくするという意味でもあります。
「愛と光」を軸にした価値観を持っていれば、経営者の考え方が悪い方向へは行かないはずです。
何か青臭いことを言っていると思われる経営者の方もいらっしゃるかもしれません。
ただ、21世紀は、こうした正しい価値観が、経営にとって、これまで以上に求められるようになります。
そうした流れはすでに始まっていますので、どうか自分なりの正しい経営者の考え方を身につけていただければと思います。
社長は簡単に納得しないこと | |
社長様に注意していただきたいことは、自分の作ったものやアイディアに、簡単に納得しないことです。 具体的に言いますと、事業計画書を作るとします。
ありがちなのは、一通り数字や言葉が埋まったら、すごいものができたと思いこんでしまって、一度も見直しをしないことです。 社長ご本人が一所懸命策定して、苦労はよくわかるのですが、「できた!」と思っても、すぐに社員に見せないでください。 最低でも一晩は寝かせて、翌日冷静な目でもう一度チェックする必要があります。
事業計画でも、その他の文章でも、簡単に「できた!」と思わずに、見直す余地があるのではないかという考えを持ってください。
特に社員や銀行など、他の人に影響を与える文章や数字には気を配る必要があります。 凄いものができたと簡単に思いこまないことが大切です。
お店は全てコピペされる | |
商売をやっていて、今の場所でうまくいっていないから、場所を変えればよくなるのではないかという考えがあると思います。
しかし、この考えは間違いです。
今の場所でうまくいっていない商売は、別の場所でやってもうまくいきません。
悪いものがコピペ(コピーアンドペースト)されるだけです。
逆に、今成功しているお店があれば、別の場所に作っても、うまくいく可能性が高いでしょう。
そういえば、私の知り合いの飲食店の経営トップがおっしゃってました。
「場所なんか、関係ないんですよ。不便なところで、どこにあるか分からないような店でも流行る店は流行るんですよ。」
同じ経営者が経営する店は、どこに作ってもコピペされるんだということを覚えておいてください。
小売店の品揃えについて | |
近所に
東証一部上場のドラックストアがあります。先日、クーポンを使った販売促進をやっていました。 クーポンは購入した商品の一つだけを
15%割引するというもので、期間は4日間。そして、別の日の3日間でも同様に一商品を15%引きにするというものです(クーポンは期間ごとに1枚の合計2枚)。
私もクーポンを持ってドラッグストアに買いに行きました。皆様は、こうした15%引き券を持っていたら、何を考えますか?
私だったら、普段買わないような少し高い商品にクーポンを使い、割引率を大いに使おうと思います。
例えば、髭剃りの刃です。普段なら4枚セットを買っているとしたら、こうしたときに8枚セットを買うという感じですね。 4枚セットが1500円なのですが、8枚セットが2500円なので、クーポンを使って8枚セットを買おうとしました。
すると、店では”品切れ”をおこしていました。
残念でしたが、別のものを買いました。
そして、また次にクーポンを使う機会があり、同じドラックストアへ行きました。
今度は高価な歯磨き関連商品です。
これも品切れを起こしていました。今回も満足な買い物ができなかったですね。
この店の問題点がお分かりでしょうか? 15%という大きな割引クーポンを発行しているときに、高額品を普段より多く品揃えしていないということですね。
お客様の心理からいうと、せっかくの高割引のクーポンだから、いつもより高価な商品をこの際買ってみようという心理が働くわけです。
それゆえ、そうした商品を十分にそろえていれば、売りそこないを防げるのですね。
小売店では、在庫回転率ではなく、売れ筋商品、死に筋商品を見極めて、売りそこないを防ぐことが最も大事なことなのです。
また、この例のような販売促進をしたとき「固有の品揃え」が必要です。
おそらく本社で一括管理しているデータでは、こうした品揃えはできないでしょう。
お客様の心を想像することが商売には大切です。
食品偽装問題について思う | |
先日来、食品偽装問題が続いています。百貨店や大手スーパーなど、どこでもやっていると消費者に思われるような状況ですね。
食品偽装自体よくないことでありますが、私が危惧するのは別の面です。
それは、調理品の食材をケチることです。
長らくデフレが続き、コスト削減がどの会社でも大きなテーマになっています。
それゆえ、少しでも安い食材を探してきて、それを使っているのでしょう。
でも、食べ物は味が落ちたら、元も子もないのです。
食材の質を落とすことは命とりです。
お菓子屋さんや、ケーキ屋さんも、このホームページによくいらっしゃいますが、 材料をケチったり、質を落としたりすると致命的になりますから、決してしてはいけません。
もっと別のところでコストを下げるか、逆発想をして、品物の付加価値を上げて(差別化をして)、値段を上げることを考えるべきです。
お客様の評価が下がるようなコストダウンはしないようにしてください。