一倉定さんの経営計画書の課題とは?

 
経営コンサルタントの一倉定さん(故人)は、指導先企業に「経営計画書」の策定と、環境整備の実行を薦めていたと聞いています。

 株式会社武蔵野の小山昇さんは、一倉定さんの指導を受けて、そのノウハウで経営計画書をコンサルティングで使っているようです。

 一倉定さんは、偉大な経営コンサルタントであったと思いますが、一倉式「経営計画書」には気をつけなければならない点があります。
 
それは、一倉定さんの社員に対する見方が、「社員はサボる者で、経営者になれないものが社員をやっている。社員に期待するのは間違いである。」ということです。

 ダグラス・マクレガーのXY理論で言えば、一倉定さんは、X理論に立っていたということでしょう。

 それゆえ、一倉定さんの経営計画書では、型にはめて、社長の指示命令を徹底的に実行させる方法が取られています。

 この方法は、今でも一部有効な会社があると思います。

 例えば、性格の荒い社員が集まっている職場や体育会系の職場には合うのではないでしょうか。

しかし、最近の若手社員や、それほど気の荒い社員がいない会社では、この方法論は合わないです。
 
これからのマネージャーは、部下に対して父や母や、兄や姉のように接して、理解して認めてあげて仕事を一緒にしていかなければなりません。X理論の会社は、離職者が増え、立ち行かなくなるでしょう。
 

 こうしたことを考えている社長は、増えてきているのかもしれませんね。

 私のところだけでも、「株式会社武蔵野を見に行って、どうも合わなかった。」とおっしゃって相談に来られた会社様が2社いらっしゃいます。

 そうした会社様には、私の方から会社に合ったオリジナルの経営計画書の策定を支援をしました。
 
もし「株式会社武蔵野の小山昇さんの経営計画書は合わない。」と思われた会社様は、ぜひ私に相談してください!(笑)
 
貴社に合った経営計画書を策定するサポートをいたします!
 
 
 

目標管理のコツ

 
人事考課に「目標管理」を使っている企業は多いかと思います。

しかし、うまく運用できている会社はほとんどないのではないでしょうか。

 たいてい、目標管理を成果主義と合わせて、人事考課をし、給与を決定していると思います。
これはうまくいきません。

例えば、評価が、S、A、B、C、Dの5段階に分かれているとします。

こんなに細かくして、5段階のどこかに正確に当てはめる人事考課ができるでしょうか?

社員の仕事を正確に数値化して分類できるでしょうか?


できないですよね。

もし”できる”という会社があっても、たぶんそこで働く社員は納得していないでしょう。


極端なことを言いますよ。

人の評価を正確に数値化できると思っている経営者や人事がいるとしたら、それは社員に文句を言われないようにするために、できていると思っているだけじゃないでしょうか。

例えばですね、昨年度が同じ給与の人が二人いるとして、来年度AさんがBさんより、月額3,000円給与が増えるような人事考課をしたとします。

3,000円の差を生み出した仕事の差(成果の差)の説明ができますか?


普通はできないでしょう。

もし、ものすごく成果に差があったら、もっと差をつけてもいいでしょう。

でもほとんどの会社は月給レベルで3万円の差がでるような昇給はしないのではないでしょうか(管理職になるときは別ですよ)。

月給の数千円の差って、なんで?って思うと思いますよ。本人が知らないから、問題にならないだけだと思います。


成果主義の人事考課制度を導入したところは、ほとんどうまくいっていないでしょうけど、歩合営業の会社のようなところでないかぎり、人の成果を客観的に完璧に数字で表すのは無理なんです。

じゃ、どうすればいいかを次に考えてみましょう。

目標設定の仕方

 
私は目標に対し3段階の評価ならできるのではないかと思うのです。

例えば、「期待を上回った」、「期待どおり」、「期待したレベルに至らなかった」の三段階ですね。

設定した目標に対し、上司が部下の成果を見て、「期待を上回ったかどうか」なら、判定できると思うのです。

5段階に分けると、SとAの違いに説得性があるかどうか微妙ですが、期待を超えた成果なのか、期待したほどではなかったのかは、上司なら判断できるのではないでしょうか。

ただし3つの段階の評価について不服がある場合は上訴できるようにしておくといいでしょう。それも2階層上まで、上訴できるようにしてあげるのです。

仮に、代表取締役、取締役、部長、課長、係長という組織構造だとします。

そして、係長が評価されているとして、その人事考課に不服な場合は、直接の考課者の課長に意見を言えるだけではなく、部長まで上訴できるようにしておくのです。


それから目標管理でのポイントは目標の設定の仕方です。

目標管理はドラッカーが編み出したものですが、ドラッカーは上位の部門の目標設定に管理職者は積極的に参画しなければならないと言っています。

例えば、課長だったら、会社全体の目標を理解した上で、「自分たちが所属する部門の目標はこれくらいがあるべきであり、そのために自分たちの課はこれだけの貢献をします」と、能動的にコミット(積極的に関わる。約束する)する必要があるのです。

たぶん、このドラッカーが意図した目標管理ができる日本企業は少ないと思います。

日本企業は19世紀型の上意下達型の企業が多いと思うので、下から上へ目標設定をしていくことは難しいでしょう。

そこで一つの方法としては、上位部門が下位部門の目標を提示し、それを下位部門が納得するまできちんと話し合う方法です。

ここでは”部長と課長”との目標のすり合わせを想定します。

部長は課長に対し、「今期は1億円の売上を目標にしようと考えている。どうか?」と聞きます。

課長は「いや、部長、それは無理です。なぜなら、○○製品の量産が遅れています。よくいっても8,000万円です」とかになるのです。


その時に部長は三つのことを聞いてください。

1.では、1億円の売上高を上げるために会社や部門が支援すべきことはあるか?(何かを新たに支援すれば、目標を達成できるか?)

2.成果を上げるために、必要とする知識は何か?それは会社が提供できるものか?

3.現在、会社や部門が障害となっていることがあるか?(成果を上げるのを妨げているような「仕事の仕方や時間の使い方」はあるか?)


これを聞いて会社や部門が実行できるものであるなら、それを実行することを課長に約束し、目標設定をするのです。

そうした双方向の責任ある行動によって、目標管理は意味のあるものになります。

 

社員の成果の障害になっている仕事

 
目標を設定するときに、「会社や部門が障害となっていることはないか?」を聞いてくださいと書きました。

 この点を少し補足したいと思います。

会社や部門が”無意識に”「社員が成果を上げるのを妨げている」場合があります。

簡単に思いつくのは、報告だけの会議でしょう。

でも、もっと隠れていて、分かりにくいものがあります。

それは仕事の中にあります。
 
一つは「慣習的に昔からやっているけど、成果があがらない仕事」です。

 あるいは、「経営幹部に深いこだわりがあって、やめられないけど、成果があがっていない仕事」です。
 
やめられない理由と聞くと、妙に納得してしまう理由があるのですけど(笑)、成果があがっていないことは辞めるべきです。

もし、すぐに辞められないなら、期限を設定して、それまでに基準を達成しなければ、その仕事を廃棄すると決めなければいけません。


それから、権限が与えられていないので、すべて上司に伺いをたて、それまで動くことができないというケースもあります。

目標管理では、現場に「貢献という責任」を持たせますが、同時に権限も与えます。

日本の会社だと、人をコントロールする意識が強いと思うのですが、現場に権限を与えずに、結果だけを追求するとおかしくなってしまうのです。

責任と権限がない仕事を部下にやらせていると、仕事ができない部下はたいして困らないでしょう。

でも、有能な部下は苦しくなって成果を上げなくなります。まぁ、段々受け身になって、無難な動きしかしなくなりますね。

社員に成果を上げてもらうことは、会社の願いと一致しているはずです。

会社や部門が社員の仕事を妨げていないか、障害になっていないかを社員から直接聞いて、改善につなげるといいですよ。


 
    
      
  
           古賀光昭です
 
千葉県柏市在住の経営コンサルタント。コンサルティングは、人事、財務、経営計画書策定を得意とし、社外No.2の総務部長として社長へのアドバイスを行っている。また、夫婦経営に関する相談も多い。
 
仏教とドラッカー経営理論を融合させて体系化した「仏教的トップマネジメント」を編み出した。また、経営成功法を体系化した「仏教的経営成功法」も創案した。

仏教的シリーズを作成しているが、本人は僧侶ではなく、特定の宗派を代表しているのでもなく、ごく普通の民間人(笑)。
 
昭和37年福岡県大牟田市生まれの56歳、妻と1男1女で千葉県柏市に住む。でも兵庫県明石市や大阪府豊中市で育ったので、熱くてオモロイ阪神タイガースファンの関西人(笑)。
 
上智大学 大学院 博士前期課程 英米文学専攻修了  文学修士(Master of Letters   専門は英語学。指導教授は、渡部昇一先生)

大手航空写真測量会社、上場硝子メーカー、上場IT企業等の総務人事・経営企画等のマネジメント職を経て、2009年6月に独立し現在に至る。独立して9年半です。
 
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