利益計画の立て方
 
以前私は、「企業の目的は、人々の幸せを創造することである。そして、その目的の達成のために、顧客の創造利益の確保が要求されるのだ」と述べました。

今回は「利益の確保」について考えてみたいと思います。

利益は会社を存続させるために必要なものです。どれくらいの利益が必要なのかを、会社の目標数字として具体的に示すといいです。

そのために、年度が始まる前「利益計画」(予算)を立てることをお薦めします。

この場合の利益とは、「経常利益」を指します(営業外費用及び営業外収益がないところは、営業利益でも可です)。


利益計画を立てるときにはポイントがあります。

第一は、社長は数字を年単位で見ることです。

予算、計画を策定するときに、月々の数字を積み上げて、その累計によって予算を作る場合もありますが、これは社員の仕事の仕方です。社長は必ず先に年単位で利益を考えて下さい。
事業経営は逆算です。

一年間の利益を出して、それを月々の数字に落とし込んでいくのです。
更に言えば、理想は5年後の利益を策定して、それを逆算して1年後の利益を出すのがいいですが、5年後を想定するのは難しいと思うので、3年間の利益目標(利益計画)を立てて、それから逆算するのが良いと思います。

ただ3年後も難しいという会社でしたら、まずは来期1年で組んでみましょう。

ポイントの第二は、「利益を決めてから、必要な売上額を設定すること」です。

予算を立てるパターンでよくあるのは、「これくらいは何とか売上が上がるから、これくらいの利益なら出せる。」という実現可能な売上数字から予算を策定するものです。

これは一見手堅くて卒のない策定のようですが、現在の延長上に予算を考えてしまっているパターンです。

そうではなく、必要な利益の目標数字を決定し、その利益を出すために必要な売上額を逆算して下さい。

利益の額を先に決めることが大切です。

では、利益の額をどのように決めるかということになりますね。

これは一人当たりの経常利益をいくらにしたいかで考えればいいです。例えば一人当たり100万円とか150万円のような丸い数字で決めます。

経常利益は税引前の利益ですから、法人税等と配当金や役員賞与を支払うことを計算した上で利益を設定して下さいね。

そして、利益の金額は社長の意思で決めて下さい。会社が倒産せずに継続できる金額を社長の意思で決めればいいのです。

利益目標における科学的根拠のある数字などありません。

この数字は机上の理論で作り上げるものではく、会社を存続させる社長の社会的な責任から出てくる数字です。

社長の強い思いの入った利益額を設定して下さい。それが三つ目のポイントです。利益額は、社長ただ一人の意思で決めることです。

さて、そこで利益額を出してみますと、大抵は予想よりも大きな額の利益になると思います。
場合によっては、始めから諦めてしまうような大きな目標に見えるかもしれません。

しかし、そこで「無理だ。」と思ってはいけないのです。
その数字は、社長が会社継続のために出した数字です。
この数字を達成するために、何をしなければならないかを考えることが大切なのです。
無難な数字だけを追いかけていたら、それこそ一気に下降して行きかねません。

利益計画の数字は、会社を継続させていくために死守しなければならない数字だと意識をしましょう。
 
そして、どうやって達成するかを真剣に考え、事業を変化対応、革新させていくのです。それが利益計画の重要な役割です。
利益計画を立てて、実際に対象となる期が始まったとします。そうして、なかなか売上が上がらない場合に計画の下方修正を考えることもあると思います。

例えば、半期ほど頑張ってやってみたけれども、計画に達成しそうにないなと社長が考えたとしましょう。上場企業でしたら、開示した予算に対して未達が予想される時には、修正内容を公告しなければなりませんが、未上場ですと関係ありません(このHPでは未上場企業を対象に書いています)。

無理だと思っても、あくまで利益計画の数字にこだわって下さい。とことん、こだわって下さい。
利益計画の数字を達成するためにどうするかを考え、会社をイノベーションするところに経営の進化が起こります。

つまり社長自身が従来のやり方、発想だけではダメだと思う所が大切なのです。
この社長の意識改革こそが、利益計画の効用です。

計画を下方修正して、達成率を100%に合わそうとするのではなく、泥くさくていいと思うので「今までの考えにとらわれずに、どうすれば達成できるか」を考えましょう。

なお、利益計画を達成するために必要になるのが「販売計画」です。「販売計画」は、「商品別販売計画」、「部門別販売計画」等で構成されます。

これ以上の説明はかえって繁雑になりますので、書きませんが、社長の考えをまとめた「基本方針」と「利益計画」だけでも一度作られます事をお薦めします。
 
 
    社長の強みを分析せよ
 
今回のテーマは、「社長の強みを分析せよ」です。

「社長の」といっても、読者が社長でしたら、ご自分の事になりますから、社長自身が自分の強みを知るという意味になります。

自分の強みは意外な事になかなか分からないものです。私も自分の強みは自分では分かりません。

そして、自分が得意なことは、他の人も当たり前にできるものと錯覚してしまいます。

ですから、他の人から見ると凄いことでも、本人は気づかないことが往々にしてあります。


ドラッカーは、「人の強みに焦点を合わせ組織をつくる」ことを推奨しています。

ただ、社員の強みを知るだけではなく、社長自身の強みも知らなければなりません。

会社の成否はトップである社長で決まります。社長がどういうことに強みを持っているかは、とても重要なことです。


では、「どうやって自分の強みを知るか」ということになります。

一番簡単なのは、人に聞くこと
です。信頼できる第三者に聞くのもいいでしょう。配偶者でもいいと思います。とにかく色々な人に聞いてみて下さい。

すると、思いもよらなかった強みを発見できるはずです。


また、人が教えてくれる強みで、何人もの人の意見が共通する強みがあります。

例えば私でしたら、「先を見ることができること」ということを必ず人に言われます。

こうした何人もが指摘してくれる共通した「強み」は、かなり精度が高い(当たっている)強みだと思っていいでしょう。

まずこうした方法があります。

その他の強みを知る方法としては、「他人と自分を比べること」です。または、自社と他社を比べてもいいでしょう。


人は自分のことはよく分からないものですが、他人の良さや欠点はよく見えるもの
です。

自分が難なくできて、他の人が苦労するようなことは、強みの可能性がある
でしょう。


あるいは、経営している会社が苦労なく成し遂げているにも関わらず、ライバル企業が苦戦していたら、その成し遂げていることに強みが隠されています。

結局、社長が自分の強みを知り、それを最大限に活かすことが、会社にとっても成果が出ることにつながるんですね。

でも、これがなかなかできる社長は少ないです。

私もサラリーマンとして何社も経験しましたが、明確に自覚して経営に活かしていた方がいるかといえば、ほんと少ないですね。

あまり具体的なことは、HPでは書けないですけど、弱みといいますか、苦手なことに手を出す社長が多かったような気がします。

人間というのは不思議なもので、心の奥底に眠っている劣等感が「ムクムク」と起き上がって来て、それを補償するようなことをしてしまうのですね。
 
事業が順調に行っていても、その事業や業界に劣等感を持っている社長がいらっしゃいます。

「自分は本当はこんな商売をしたくなかった。」と思っておられるパターンです。

傍から見ると十分に成功されているのですが、本人はもっと華のある業界で、輝かしい経営者になりたいと思っておられるのです。

こうした社長は何をするかと言いますと、昔でしたら、やたらとIT(システム)を取り入れようとします。あるいは、組織図をとにかく立派なものにしようとします。社員数が少なくても、やたらラインがたくさんあり、スタッフ部門を作ってしまいます。やたらと支店を増やすタイプもいらっしゃるでしょう。

あるいは、社長秘書だけは、とても綺麗な女性を得ようとします。そして、社長室だけを豪華にすることもあります。

こうしたことは、心の奥底にある劣等感が癒されていなくて、それを補うために無意識で行動していることが原因であることが多いです。

社長が自分のモチベーションを上げるために、色々な策を取られることは否定すべきことではありません。

しかし、お客様の方を向かずに、内部指向や自分の弱みの方へ向かってしまうと、会社にとんでもない危機が訪れることになるのです。  

そのあたりは気をつけてみてください。

さて、話は戻りますが、社長は、自分の強みが分かったら、それを経営に活かすようにして下さいね。

例えば、「独創的なアイディアを出すのが得意」な社長でしたら、どんどんアイディアを出して、それを事業へとつないでいただきたいと思います。

営業をやらせればいつもNo.1だという社長もいらっしゃるでしょう。現状のお客様のフォローを社員に担当させ、新規獲得は社長が全部取ってくるのもいいと思います。


あるいは、「人を使うのが得意」でしたら、従業員を雇って組織力で会社を発展させると良いでしょう。

また、「売れる商材を見つけてくるのが得意」な社長でしたら、商社のようなビジネスで成功するのも良いでしょうね。

とにかく、社長の強みを、経営で何に使うかを考えてみて下さい。

この時のポイントは、独りよがりにならずに、自分の強みと「お客様の要求」の接点を見つけることです。

お客様の要求、願い、欲求、希望に、自分の強みをどう活かせば、最もお客様に喜んでいただけるかを考えながら、強みを使って下さいね。


それから、社長の弱みの部分、得意ではない分野の業務・仕事については、得意な人にやってもらうのが良いでしょうね。

社員を雇うのもいいですし、外部の専門家を顧問として契約するのもいいでしょう。あるいは、外注や派遣社員でカバーする方法もあります。企業間でコラボレーションすることも良いと思います。

自分の苦手なことを伸ばすのは難しいので、得意な人と組むことが大事です。

苦手(弱み)なことを及第点にしようとするよりは、得意(強み)なことを更に伸ばす発想をして下さい。

社長の強みは会社内の最大の武器
です。そのような最強兵器は正しい使い方をしないと勿体ないです。

最強兵器を眠らせることなく、活かして更に大発展されますことをお祈りいたします。
 
    
      
  
           古賀光昭です
 
千葉県柏市在住、社長のビジョン実現化の支援をする社外No.2型の経営コンサルタント。経営計画書の策定や夫婦経営のアドバイスも得意としている。
 
「仏教思想」とドラッカー経営理論を融合させて体系化した「仏教的トップマネジメント」を編み出した。また、経営成功法としての体系化した「仏教的経営成功法」を考案している。

仏教的シリーズを作成しているが、本人は僧侶ではなく、特定の宗派を代表しているのでもなく、ごく普通の民間人(笑)。
 
昭和37年福岡県大牟田市生まれの56歳、妻と1男1女で千葉県柏市に住む。でも兵庫県明石市や大阪府豊中市で育ったので、熱くてオモロイ阪神タイガースファンの関西人(笑)。
 
上智大学 大学院 博士前期課程 英米文学専攻修了  文学修士(Master of Letters   専門は英語学。指導教授は、渡部昇一先生)

大手航空写真測量会社、上場硝子メーカー、上場IT企業等の総務人事・経営企画等のマネジメント職を経て、2009年6月に独立。
 
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経営の問題解決や、夫婦経営のコツ、そして阪神タイガースのおもろい話題(笑)まで、幅広いテーマで書き続けております。
(こちらのブログは以前はペンネーム、古賀光明や孔明を使用していました)